暁 〜小説投稿サイト〜
英雄伝説〜灰の軌跡〜 閃V篇
第85話
[2/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ら、適当に黙っててくれ。そんじゃあ、二人ともとっとと寝ろよー。」
軽薄そうな声―――レクター少佐はリィンの疑問に答えた後通信を切った。
「チッ…………マジでどっかから見てるんじゃねえだろうな?…………オイ。なんかねぇのかよ?」

「いや、別に…………元々ウサン臭い人だからな。何らかの形で関係者を送り込んでも不思議じゃないだろう。…………ただ、どうも君は情報局員という訳じゃなさそうだな?」

「ハッ、たりめーだ。そもそも便宜も図られちゃいねえ。オレが第Uに合格したのは完全な実力―――カカシ野郎は関係ねえ。」
リィンの問いかけにアッシュは鼻を鳴らして答えた。
「そうか…………じゃあ、どうして?」

「フン…………個人的にどうしても知りたい事があってな。それを知る為の近道が第Uにあるってあの野郎に囁かれたのは確かだぜ。」

「レクターさんがそんなことを…………さっき話が少し聞こえたが君が知りたいのは、ひょっとして――――」

「ハッ、テメエに話すことはねぇよ。…………それとも何だ?”聖女”あたりに突きだすか?」

「え…………」
アッシュの指摘にリィンは意味がわからず呆けた様子でアッシュを見つめた。


「カカシ野郎から情報を引き出す代わりに色々、調べものはしてたからな。言ってみりゃ情報局の隠しスパイ…………白兎よりもタチが悪いだろ。あのおっかないかつ高潔な分校長様が知ったら即刻、退学にでもするんじゃねえか?」

「…………くっ…………はははははっ!」
アッシュの推測を呆けた様子で聞いていたリィンは突然笑い始めた。
「おい…………」

「まさかとは思うが…………本気で言ってるんじゃないよな?大人びてると思ったが、自分のことになると意外と周りが見えなくなるというか…………」

「……………………」
リィンの指摘を聞いたアッシュは目を細めてリィンを睨んだ。
「悪い、そんな目で睨まないでくれ。――――そもそも教官陣や生徒どころか分校長まで他国所属の俺達がいる時点で情報局のスパイ云々は今更だろう。第一、あの分校長がそれを知って君を辞めさせたりすると思うのか?」

「…………そいつは…………」

「断言するが、”あり得ないな。”むしろ面白がってとことんやれまで言いかねない。いや、いつでも寝首を掻いてこいとか、言いだしそうな気も…………」

「やめろっ、想像しちまうだろうが…………!ったく、これだから常識の通じねぇ連中は…………―――だったら、”リィン教官。””アンタ”はどうなんだ?処分の目がないとはいえ心情的な問題はゼロじゃないだろう。オレは、オレ自身の知りたい事のために情報局を利用して第Uに入った。Z組入りを決めたのも百パーそうだ。そんな性根の、クソ生意気な問題児を入れてお
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ