暁 〜小説投稿サイト〜
没ストーリー倉庫
=病院編= アコンプレスセレクト
[3/3]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
一つだが、あながち無視も出来ない話でな。人間が個性を発現させて世代を重ねていく過程で個性と個性は必然的に混ざり合う。そうしているうちに最初は単純だった個性が複雑化、深化していき、肉体がそれに追いつかなくなる。世代を重ねるうちに個性はどんどん暴走し、最後には誰にもコントロール不能になるんじゃないか……という話だ。与太話に思えるかもしれねぇが第四世代では既に個性が肉体に合ってないケースはあったらしい」

 デクくんは個性の強さに耐えきれず腕や足を景気よくぶっ壊してるが、確かに俺も思った事はある。ワン・フォー・オールに蓄積されるエネルギーはいずれ人間の肉体では受け止め切れない程膨張してしまうのではないか、と。
 常闇がこちらを見て呟く。

「個性が拡大しすぎて一度に扱いきれない……これからの時代、水落石のような個性が増えてくるということか」
「お前が個性にどう向き合うかが、後世の規範になるかもしれねぇな」
「ジョーダン。そんなことになったらオチオチ立ちションも出来なくなっちまう」
「いや……ヒーロー志望の立ちションも駄目だろ」

 ごもっともだと笑いながら、俺達はまた日常に戻っていく。
 次は職場体験の時間だ。俺に指名が入っているかどうかは果てしなく微妙だが、別段行きたい所はない。俺の個性の強みを考えれば護衛系のヒーロー事務所に行きたいところだが、どうなることやらだ。

 ただ、その「個性特異点」の話は、暫く俺の頭から張り付いて離れなかった。

(あの人がヴィランの手に渡ることは、絶対にあってはならないってことか……)

 もしそんなものがあるんだとしたら、神路みことは間違いなくソレだから。
[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ