138倉田家分家
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込んで三文芝居をうって、世論を操って私から想い人を奪った憎い姉です」
(「祐一様?」「お種を頂戴?」何言ってるの、この子? それにあたしって一体何キャラ?)
秋子にも、存分に暴れ回って家を潰し、全てを奪い取って祐一も含めて自分の物にするよう言われていたが、「憎い姉」呼ばわりされて自分がどれだけ酷い女設定なのか考えてみた。
「はっ! やりおったなっ、ははははっ! 気に入ったぞ、例え妹からでも男を奪うか?」
「秋子様からも、「政治家の先生や企業からは喜ばれる力」とお伺いしております」
「良いっ、良いぞっ! 政治家? なってみるか? 本家の小倅を真似るようで気に食わんが、好きなようにやれっ、力を貸してやろう、がはははっ」
「それと、祐一様からお情けを頂き続けると、「未来予知」の力はさらに増すともおっしゃいました」
特に聞いてもいないのに、嘘を混ぜて姉の価値を上げておく栞だが、天使の人形から授かった力を加え、魔物に改造された自分の力の上昇を思えば、姉の強化も間違いの無い話であった。
「そうかっ、では何か未来を読んでみろっ、さあっ」
「その前に、秋子さんがあたし達に聞かせた未来予知があるわ、聞きたい?」
「何ですかっ、ご当主様に向って、その物言いはっ!」
女主人から怒鳴られるが、そんな物は気にもせず、不遜な態度を続ける香里。
「あんた達からすると、秋子さんの言葉って「予言」とか「天啓」って言うんですってね? 聞きたいでしょ?」
秋子の元に伺い、正式に予言してもらうには高額な謝礼が必要なのは、この家の者なら知っている。当主も香里が何か望んでいるのには気付いた。
「何が欲しい? 金か? 地位か?」
「話が早いわね、じゃあまず一つ目、あたしの両親は「今までの養育費」を渡されて、今頃外に放り出されてる所でしょ? やめさせて」
「おいっ、誰か行って止めて来いっ」
廊下側で誰かの足音がして、別室に向ったのが分かったので、これで両親は大丈夫なのだろうと思えた。
秋子はその時間までは言わなかったが、何故か今、この瞬間に起こっていることだと感じた。
「じゃあ二つ目、あたし達は逃げられないよう、座敷牢に繋がれるそうね? それもやめさせて」
「良かろう、閉じ込めはせん」
次第に香里の気迫に飲まれ、良いように扱われ始める当主。
「秋子さんの話だと、力を使い始めたあたし達は、祐一に「週に一回」してもらわないと死んじゃうんだって。まさか「金の卵を産む鶏」を絞め殺す馬鹿はいないでしょうねえ?」
微妙にお注射の回数を水増しして、祐一に会える機会を増やしておく。
「好きにせい、邪魔はせん」
「三つ目、これが大変よ。あたし達が気に食わない女達とその親が、男達をけしかけて襲わせるそうよ。脅迫用にビデオまで撮られて、逆らえないように
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