第6章:束の間の期間
第199話「集う者達」
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た。
「葵」
「っと、優ちゃん……と、そっか。司ちゃん以外の霊術が使える皆を連れてきたんだね」
「それと、分霊ですが私もいます」
「わっ」
一方、優輝の方では。
大門に向かって鞍馬達と走る葵に合流した。
ほぼ同時に祈梨のもう一人の分霊も合流してきた。
「……ふと思ったが、分霊を何人も作って負担はないのか?」
「ない訳ではありません。しかし、そんな大きな負担もないので……。……神界の法則は、意志の持ちようが重要視されますからね」
分霊を作るというのは、本来は自分の力を分割して作り出す。
そのため、負担はないのかと優輝は思っていた。
しかし、返って来た返答はさらに気になるワードを含んでいた。
「……神界の法則、後で聞かせてもらうぞ。今聞いたのが僕の解釈通りなら、絶望的な戦力差を覆すきっかけになるかもしれないからな」
「……そうですね。ですが、まずは……」
気になる事は一度後回しにし、大門に辿り着いたためにそちらに注目する。
大門があったはずの場所は、黒い靄の穴になっていた。
穴の縁となっている靄の部分を、人魂が回っている。
「……これが話にあった……」
「穴……いや、道になっているのか」
穴の大きさは、人一人が簡単に通れる程には大きい。
その証を示すように、直後に穴から気配を感じ取った。
「この気配は……!」
「とこよちゃん!?」
「あ、やっぱり来てたんだ」
穴から現れたのはとこよだった。
優輝達……と言うより、誰かが調査に来ることは予想していたようだ。
「とこよも大門の調査に?」
「うん。……あ、今の私は式神に意識を移しているから、実際に出てきた訳じゃないよ?」
「そう……」
大門の異常が原因で、とこよが出てこられたと思った鈴。
しかし、実際は式神を限定的に現世に送っていただけだった。
「そっちの人は……初めましてだね。……もしかして、この状況について何か知っているのかな?そうだとするなら教えてほしいかな?」
「……さすがは大門の守護者、佇まいのみでかなり見抜いてきましたね」
「逆だよ。佇まい以外、何も読み取れなかった。だから、“普通じゃない”と思ったんだよ」
とこよは祈梨を見た時、その身に宿す霊力を探ろうとした。
しかし、感じ取れたのは理力によって見せかけられた仮の霊力のみ。
それ以外は全く分からなかったため、逆に普通じゃないと思ったのだ。
「……そういう所も以前とは見違えたわね。とこよ」
「幽世で色々してたか
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