第6章:束の間の期間
第199話「集う者達」
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ってさ、司さんはあいつの事―――」
「ッ―――!」
「―――あ、いや、何でもないです」
帝の言葉に、司が顔を赤くする。
直後、照れ隠しで何かされると思った帝は、すぐに言葉を呑み込む。
「……正直、私と奏ちゃん、どっちが行ってもいいんだけどね。でも、二人行く必要はないし……。奏ちゃんなら、即座に対応出来るし、こっちも万が一の時は私の天巫女の力が役立つかもしれないしね」
一応、司は自分が残った訳を話す。
エルトリアも流れ着いただけで、他の世界のように“未来の可能性”として消失するかもしれない。そのため、大多数を転移させるのに向いている司が残ったのだ。
「……色々、切羽詰まっているようだね」
「……はい」
話を終え、優輝の言葉も聞いていたグランツが口を開く。
「神界に関する話は聞いたけど、戦力がやはり必要なようだね」
「そうですね。……それも、質も量も足りないと思います」
グランツの言葉に、祈梨が気が滅入るような返事を返す。
「……何となく、分かってた事だけど……言葉にされると絶望的だな……」
「具体的な戦力は分からないのかい?」
「洗脳されたりもするので、なんとも。こちらの戦力が足りない事は分かっていますけど」
戦力が足りない。
その事実がとにかく司達の心に影を落としていた。
「僕達も協力しよう。僕自身は戦力にならないが、アミタやキリエ、ユーリ君達なら助けにはなれるはずだろう」
「はい。どれだけ助けになれるかは分かりませんが、私達も以前よりもかなり強くなっています。戦力にはなれると思いますよ」
両手で小さなガッツポーズを胸の前でして気合を示すユーリ。
その身からは、以前のような膨大な魔力は感じられない。
しかし、少し前から魔力の扱い方を磨いていた司達には分かっていた。
その体の奥底に、膨大な魔力が小さく圧縮され、渦巻いているのが。
「……シュテル達、もしかして私達より強く……?」
「さぁ、どうでしょうか?今のナノハは、私とは違う成長をしたようですから」
「分かるの?」
「はい」
なのは達とシュテル達でも、お互いに成長したのを一目で見抜いていた。
「オリジナルもだけど、アリシアもすっごく強くなってない?」
「うん。魔法とは違う力を手に入れたからね」
レヴィの場合、フェイトだけでなく、優輝について行ったアリシアも強くなっている事に気付いていた。
「小鴉、貴様も成長はしたようだが……それより、なんだあやつの様子は」
「あやつ?」
「知れた事。導王の生まれ変わりたる彼奴の事よ。……感情を失っているな?」
「王様、気づいてたん?」
ディアーチェは、
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