暁 〜小説投稿サイト〜
ロックマンX〜Vermilion Warrior〜
第58話:Big Bang
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物?」

「今回の相手は電気を扱うと聞いてね。試作中のだけどラバーコーティングを持ってきたのよ。これなら電気を通さないはず」

「成る程」

そしてエックスはラバーコーティングを施され、体を動かして不便はないか確かめる。

「どう?」

「うん、動かしやすいよ」

「ただ機動力を落とさぬ為に限界の薄さにしたから耐久回数に不安はあるがのう。それからそのコーティングをしとると特殊武器は使えんことになる。バスターだけで勝負にすることになるぞい」

「良いですよ、バスターが使えるだけでも充分です」

「それで俺の分は無いのかエイリア?」

「ごめんなさい、試作中の物だからエックスの分しかないの」

苦笑しながら言うエイリアにゼロは困ったような表情を浮かべる。

「なら俺は待機か?」

「いや、ゼロには恐らく捕らえられているだろう人達を助けてもらいたい。お前の技は大勢の敵を相手にするのに向いておるからのう。」

「仕方ないな、行くぞエックス」

「あ!ゼロ、待ってよ。エイリア、行ってくる…これありがとう」

「ええ、気をつけてエックス…無事に帰ってきて」

エックスとゼロが研究所を飛び出してハリアン発電所に向かい、エイリアはそんな2人の後ろ姿を見つめていた。

「本当に無事に帰ってきて欲しいもんじゃ…(何時まで人の心に付け込むのじゃ…ドップラーよ…)」

そしてエックスとゼロは別行動を取り、エックスはキメラにホバリングローターとミサイルポッドを装備した空戦型のホークに乗ってハリアン発電所に向かっていた。

「街が死んでいる…」

普段は夜でもそれなりの活気があったと言うのに今は見る影もない。

「ドップラーの寄生チップがナマズロスの“スター”への憧れを暴走させなければ…一刻も早くナマズロスの暴走を止めなければ…ん?明かり…それに何か音楽が…あそこはハリアン発電所だが…一体…何が……!?」

アイカメラの機能を最大にして目を凝らすと、思わず瞬きを何度か繰り返し、アイカメラに異常が起きてしまったのかと思ってしまう。

「発電所がクリスマスツリーに!?何を考えているんだ!!?」

夏の季節であるにも関わらずにクリスマスツリーと言う常識外れの行為にエックスは唖然としてしまうが、ナマズロスの姿を発見して真っ白になっていた頭を元に戻す。

「残暑お見舞い申し上げるでぇー!!まだまだ暑いが今日はわいの“笑い”で一時の“涼”を取ってな〜!!」

人々の悲痛な叫び声も今のナマズロスには歓声にしか聞こえないらしく、ナマズロスは調子に乗り始める。

「えーでえーで!!みんなノッとるやんか!!ほな、脳味噌ショートするよな奴、バー行くでーっ!!星が欲しー…」

「させるか!!」


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