猫娘と回想、I・アイランド編
NO.103 回想《8》 レセプション・パーティー
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いい気味だと思い耳郎は少し気持ちが和らいだ気がした。
「あれ……? デクちゃんは? まだ来てへんの?」
「そうなんだ。まだ緑谷くんだけ来ていないんだ……」
「おそらく着替えに手間取ってんだろうな……」
飯田と轟の言葉に八百万はすぐに「まぁ……」と声を出して、
「でしたら私に一言言ってくださればすぐにお茶子さん達と一緒に着替えのレクチャーもしましたのに……」
「緑谷はただでさえ女物は気慣れて無さそうだもんね」
「心配になってくるわ。飯田くん、電話はしてみたの?」
「そうだな……。もう一回電話してみるか」
と、飯田が携帯を取り出そうとした時であった。
自動ドアが開いてそこからドレス姿に着替えているメリッサが姿を現す。
メガネととって、肩が出ている大人な感じの雰囲気でやはり年上としての魅力が出ていた。
「「ヒョー!!」」
それで思わず上鳴と峰田は興奮から叫び声を上げる。
「あれ? みんな、まだいたの? もうパーティー始まっているわよ?」
「それなんだが、緑谷くんがまだ……」
「デクちゃん……? それなら私の後ろにいるわよ」
メリッサは振り返るが、なぜか出久は自動ドアの向こう側から顔だけを出して頬を赤くして震えていた。
「緑谷くん……?」
「あ、あのあの……飯田くん……それにみんなも……きっと変な格好だから、笑うなら素直に笑ってもいいからね?」
「そんなことないわよ。私がちゃんと似合うドレスを貸してあげたし、それにデクちゃん自体もすごい可愛くて魅力的だから、きっとみんなも驚くと思うわよ」
メリッサはそう言って出久の方へと歩いて行って、思い切って背中を押してあげた。
そしてまみえる事になる出久のドレス姿。
しいて上げるとすればお茶子のドレスに近いもので、新緑のような色彩で、メリッサにお化粧もしてもらったのか、いつもよりもより可愛く見えて、動揺から来ているのか二股の尻尾は常に動き続けていて、恥ずかしいのか赤い頬に手を添えて猫耳を片手で弄っている出久は、普段の活発さも鳴りを潜めて、まさに女の子というに相応しい様相であった。
「ど、どうかな……?」
顔を伏せがちながらもそう聞いてくる出久に対して、耳郎はすぐにある事を思った。
「(あ、あざとい!!?)」
「デクちゃん……可愛い!!」
「可愛らしいですわ、緑谷さん!」
そんな耳郎をよそに、お茶子と八百万の二人はすぐに感想を口に出していた。
お茶子に関しては自制はできたのか心の中だけでだが、某鉈女みたいに「(はうー! お持ち帰りしたいよー!)」と叫んでいた。
そして男連中といえば、
「……………………、はっ!? 一瞬意識が……」
「似合ってるぞ、緑谷……その、なんだ? 素直に可愛いと思う」
「ワンダフォ
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