猫娘と回想、I・アイランド編
NO.102 回想《7》 メリッサの研究室にて
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とがないがきっと腕が破損してしまうし、フルカウル状態でもまだ15%がそこそこで全力だなんて夢のまた夢だ。
フォウの身体強化・怪力を併用して現状でそれなのだから、まだ個性を存分に発揮するためには修行が必要になってくる。
「このフルガントレットね、マイトおじさま並みの拳を放っても、私の計算では三回までなら耐えられる強度があるわ。だからきっと、デクちゃんの本来の力を発揮できると思うの」
「……僕の、力を……」
そんなにすごい力が秘められているのかと、出久はとても感動そうにそのフルガントレットを眺めていると、そこでメリッサはすごい事を言い出した。
「それ、デクちゃんが使って」
「え、でもっ……とても大切なものなんじゃ……」
「だから使ってほしいの。きっとフルガントレットも使ってもらえるのを喜んでいると思うし……」
「…………」
それで出久はもう一度フルガントレットを見た。
どことなく主を見つけて光り輝いているように感じるのはきっと気のせいであろうか。
「困っている人達を助けられる、素敵なヒーローになってね」
「メリッサさん……はい!」
ある種のメリッサからの応援だと受け取った出久は素直にそれを受け取ることにした。
大事にしないとね、と出久が思っているときに、ふと携帯が鳴っているのを感じたのでそれに出てみると、
『なにをしている緑谷君! 集合時間はとっくの昔に過ぎてしまっているぞ!』
「あっ……」
それで出久は顔を青くする。
「ど、どうしよう! 今からじゃ部屋に戻ってドレスを着ている時間もない!?」
「あ、それじゃデクちゃん。私のを貸そうか? 私も参加予定だから一緒に着替えましょう」
「え、でも……」
それで出久は顔を赤くする。
そんな出久の反応にメリッサは首を傾げながらも、
「どうしたの……?」
「その、ありがたい話なんですけど……メリッサさんに話していなかったのも問題なんですけど、信じてもらえないと思うんですけど、僕って実は一年前に個性が発現するまでは男だったんです」
「え……?」
それでメリッサはポカンとした顔になる。
初めて聞く話ともなれば誰でもそんな顔をするだろうと出久は思った。
むしろ、すぐに受け入れてもらえた1−Aのみんなには感謝をしないといけないであろう。
だけど、だからといってメリッサもすぐに受け入れてもらえるだろうかと、出久は不安に感じたのであるが、
「……個性の発現とともに性転換をしてしまった……? そんな個性もあるんだね、それに一年前だとするとデクちゃんもそれまでは無個性だったって思い込んでいたって事……?……ううん、こんな時じゃなかったらもっとデクちゃんの個性について色々聞きたい、そしてきっとマイトおじさま
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