艦娘とスイーツと提督と・32
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落ち着くわね」
優雅にカップを傾けて紅茶を飲んでいる姿を見れば、その美人さも相俟ってどっかの良いとこのお嬢さんっぽいんだけどなぁ。
「……なによ、私の顔に何かついてるの?さっきからジロジロと眺めてるけど」
……これだもんなぁ。この勝ち気な性格が見た目の良さを邪魔している。まぁ、その強気な性格を屈服させるのもまた楽しかったりするんだが。
「ちげーよ。やっぱりお前似てるんだよなぁ」
「あぁ、去年の忘年会でやらされたコスプレ?比叡と夕張もやたらとノリノリだったけど、何なのアレ?」
ウチの鎮守府は毎年、忘年会と新年会をやる。……というより、何かとかこつけて飲む口実を作り出しているだけなのだが。そんな忘年会では毎年、1ヶ月前に出し物をやる奴がクジで選ばれる。内容は漫才だったりマジックやらされたり、その年の流行りの曲でダンス踊ったりと様々だが、そんな中に『コスプレしてカラオケ』というのがある。読んで字の如くコスプレや仮装をさせられて1曲唄うって内容なんだが、出し物を考えるのが面倒だって奴からは意外と好評で毎年誰かしらがやっていた。んでもって、去年はそのお鉢がビス子に回ってきたってワケさ。
問題はそのコスプレしたキャラクター。本人は何でもいいと発言した事から、ウチのアニオタ連中が奮起。ならばアレしかねぇ、と夕張と比叡が気合いを入れて衣装を準備していた。出来上がった衣装は露出多めで、着ていた本人は顔を真っ赤にして恥ずかしがっていたが、何でも良いと言った手前、強がりのビス子が着たくないと言えるはずも無く非常に眼福な光景だった。
「っていうか何よ、『銀河の妖精』って。名前からして痛々しいじゃない」
「舞台が宇宙空間を旅する移民船団なんだよ。ってか、前にDVD観てたろ?アレの続編だ」
ビス子が前に見てた作品は、移民船団が辿り着いた惑星を舞台にしていたので話の作りが微妙に異なってたんだ。それに、ビス子が着せられたキャラクターの職業はアイドル。しかも歌姫と呼ばれるレベルの美貌と歌唱力を兼ね備えたキャラだった。……それに、ビス子に負けず劣らずのキツい性格だったし。
「お前さんに似て美人だったし、声もそっくりなんだなぁコレが」
「そ、そう?まぁ、私くらいの美人なら当然の事よね!」
気が強そうに見えてチョロい所もそっくりだ、というのは黙っておこう。
「ねぇ、貴方そのDVD持ってないの?観たいんだけど」
「持ってるぜ?貸してやるよ」
後日、そのDVDを観たビス子から
『私あんなにワガママじゃないわよ!』
とキレられた。他のドイツ組と一緒に、自覚が無いって恐ろしいねと言葉を交わしたのも内緒だ。
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