暁 〜小説投稿サイト〜
ロックマンX〜Vermilion Warrior〜
第53話:Conscience
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う…なのか…彼女にとって…タイガードは大切な人だったのかな…?だからずっとああして…」

タイガードの内部機関を舐めている雌虎の姿に、彼女にとってタイガードは大切な存在だったのではないかと思うエックス。

「は?……まあ、タイガードは虎型のレプリロイドだからな。モデルとなった虎と交友は出来なくはないだろうが…」

「軽率だったかな…俺は彼女から大切な人を奪ってしまった…あんなに一生懸命なのに…タイガードはもう…俺のバスターがタイガードを……」

「仕方ないだろう。今のタイガードを放置していては罪のない人間やレプリロイドが犠牲になる…お前は間違っていない。」

雨雲が無くなり、再び太陽光が降り注ぐ。

タイガードにも太陽光が降り注ぎ、それによって再起動が始まったことを示す起動音が鳴った。

「え?」

タイガードの腕が動いて雌虎の頭に回された。

「グル?」

「奇跡だ…!!」

タイガードが起き上がり、雌虎の傷に響かないように優しく抱き締め、雌虎も嬉しそうに頬擦りする。

「奇跡だと?バックアップシステムがドップラーの手に掛かっていなかっただけだろう。」

「ドップラー程の科学者がミスするはずがない。タイガードの最後の良心がドップラーの手からシステムを守ったんだ」

「非科学的な」

「科学万能も善し悪しなんだろう?」

「…だったな」

エックスの言葉にゼロは微笑みを浮かべる。

タイガードにとってあの雌虎はきっとタイガードの心の支えでもあったのだろう。

だからこそ、彼女が人間に撃たれたことで人間とそれに味方するレプリロイドに憎しみを抱いてドップラーに付け込まれてしまったのだ。

タイガード達の姿を見て何となくエイリアの姿が脳裏を過ぎり、エックスはハンターベースに帰還するとエイリアに通信を送る。

『あら?エックス…どうしたの?』

「あ、忙しいのに通信を寄越してごめん…大した用事じゃないんだけど…」

『良いわよ、今は休憩中だし』

「そうか…実は今日…」

今日の任務の出来事をエイリアに話すと、興味深そうに聞いてくれた。

研究者であるエイリアからすれば動物とレプリロイドの関係とは興味深いものだからだろう。

こうして今日の任務は終わりを告げた。
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