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ロックマンX〜Vermilion Warrior〜
第52話:Longing
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こんな紛い物の力じゃないだろうっ!!!」
ホーネックの頬にゼロの拳が突き刺さり、ホーネックの体は勢い良く吹き飛んでいった。
「(俺の求めていた“強さ”…それはゼロのような…そうだ…隊長のように何者にも屈さない強さ…ドップラーのくれた強さなんかじゃない!!俺は…俺は大馬鹿野郎だ…)」
先程の一撃で正気を取り戻したらしく、ホーネックは本来の人格に戻っていた。
「頭部に強烈な衝撃を与えれば、一時的に正気に戻る…エックスの言っていた通りだったな…目が覚めたか?この大馬鹿が」
ホーネックを見下ろしながら言うゼロ。
実はここに来る前にエックスからバッファリオを正気に戻した方法を聞いていたので、ゼロもホーネックに試したのだ。
「(た…隊長…くっ…みっともなくて…情けなくて…顔が合わせらんねえよ…)」
憧れであったゼロにとんでもない醜態を見せてしまったことにホーネックはゼロの顔を見ることなど出来ずに顔を背けてしまう。
「……ふう」
溜め息を吐きながらゼロは踵を返す。
「(行っちまう…良いのかよこのままで…)」
自分は人類に反旗を翻したイレギュラーなのに処分しないゼロにホーネックは目を見開く。
「以前のお前なら立ち上がる位の根性はあったぞホーネック」
その言葉にホーネックは震える体を叱咤して立ち上がる。
「こ…根性だけは…昔よりついてるつもりですよゼロ…隊長!!」
次の瞬間、警報が鳴り響いた。
『エマージェンシー、エマージェンシー。裏切り者を抹殺せよ!!抹殺せよ!!』
そして部屋にかなり数のメカニロイドが押し寄せてきた。
「ホーネック、俺達の仕事は何だ?」
「イ…イレギュラーハンターです!!」
ホーネックの答えにゼロは微笑を浮かべる。
「その通りだ。今度こそ忘れるな…行くぞ副隊長!!」
「はいっ!!隊長!!」
セイバーを回収してホーネックと共にメカニロイドの大群に突っ込んでいくゼロ。
しばらくして工場が破壊され、ゼロとホーネックがハンターベースに帰還したのであった。
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