51部分:五十一.亀山殿御池に
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五十一.亀山殿御池に
五十一.亀山殿御池に
後嵯峨上皇が嵯峨に造られた仙洞御所、即ち亀山殿に大井の小川の水を引水しようということで大井川沿いに住んでいる民達に命じて水車を作らせたことがありました。あまりにも費用をかけてやりましたので水車は二日か三日で出来上がりました。そしてその水車を川に掛けたのですがどれだけ頑張ってもその水車が廻ることはありませんでした。それであちこちと修理をしたのですがそれでも何時まで経っても廻ることはありませんでした。その為そのまま放置されることになりました。
それから暫くして今度は山城の宇治川沿いに住んでいる民達を集めて水車を作りましたら実に手馴れたものでして簡単に作り上げてしまったうえにその水車が思った通りにくるくると廻りましたのでそれでようやく水を汲み上げることができるようになったのです。
要するに宇治川沿いに住んでいる民達は水車を作り上げることに関しては専門家だということです。どんなことにおきましても専門家というものは只者ではありません。このことをあらためて知るようなお話であります。何ごとに置いてもそうなのでありますがやはりそういったことを専門的にやっている人というものは何かが決定的に違うものであります。だからこそそこに見えるものもやることも何も知らない人とはまるで違ってくるのです。それはこの水車に置いてのお話だけではありません。
亀山御池に 完
2009・6・6
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