地を打つ大槌
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も空振りに終わっている。
……尤も、攻撃の頻度が多く、迂闊に飛び込めないというのもこちらとしては問題だ。
獣竜種の共通点の一つ……それは膂力に優れるということだ。
かつて俺が遭遇した獣竜種の中にはコイツの亜種がいた。前足が退化したといっても過言ではない程に、細く短くなっているこの種は、必然的に後ろ足と尾に力の比重が傾いている。
四肢を用いて移動する種に比べてバランスは悪くとも瞬間的なパワーが大きい。
そして頑丈な頭殻と、その前傾姿勢から繰り出される頭突きは相当な驚異となる。
頭にある角は自身を守る為の武器として十分と言えるほどに、頑丈且つ剣呑な形をしている。
だが、それよりも由々しい問題がある……デカいのだ。コイツは。
保護色である体色も合わさって、森林地帯で遠近間隔が狂ってしまった目でコイツを視認すると、山か何かと勘違いするだろう。それほどまでにデカイ。
ここまで巨体だと刃が通っても、分厚すぎる肉や脂肪のせいで傷を与えることができない可能性がある。
だが、そんな事に逡巡している余地はない。奴が暴れれば暴れるほど余計なことになるし、神無に被害が及ばないとも限らない。
それに――――――――
ドボルベルクが尾の軌道を上段からの叩き付けではなく、横殴りの薙払いへと変えたのが視界に入った。
それをバックステップ、蜻蛉を切って飛ぶ事で回避する。
――――――――体に刃が通りにくい事など瑣末事だ。それならそれなりの戦い方がある。
着地した所で刀を抜いた。ドボルベルクは俺を見据えながらも徐々に立ち位置をずらしつつ、尾の一撃を繰り出しやすい姿勢を取りつつあった。
「来い」
「グムゥウウウウウォォオオオオオオオッッ!!!」
俺の言葉に応えたわけではないのだろうが、ドボルベルクはすぐさま尾を持ち上げて俺に向けて振り下ろしてきた。
対する俺はサイドステップで躱し、奴もそれに応じて位置をずらしてもう一撃を繰り出してくる。
二撃目も躱すが、地に大槌が叩きつけられる度に地面が揺れて蹈鞴を踏みかねないし、砂利が飛び散る為、これに視界を奪われる可能性があるのは実に面倒だ。余計に距離を取らなければならない。
だが、コイツの一撃は貰えば即死なのは確実だ。回避は必ず行わなければならない。
「実に力強く、強壮だな。だが……」
俺の脳裏を過るのは……地を打ち、その衝撃で大地を打ち鳴らして揺らし、更には土砂を巻き上げる、雷神の如き一撃を思い出す……奴には遠く及ばない。
「はぁあっ!!」
打ち付けられた槌の尾が持ち上げられる前に肉薄し、柄頭を叩きつけ、更に一歩踏み込みながら刀に回転を与え抉り込む。
尾がその衝撃で弾かれ、奴は大きくその体制を崩した。
以前正太郎に教えた技の応用だ。俺と奴の体
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