幕間「仕掛けは大詰め」
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瞳に怯えはあれど、死んでいない。それで充分だ。士郎は今ある情報を纏めつつ告げた。
「敵の目的、詳細な陣容は不明なままだ。だがそれでも戦いが決する時もある。ヘラクレス野郎は聖杯と繋がっている――つまり奴の背後には必ず聖杯を所有する黒幕がいて、その敵首魁がこの特異点に於ける錨、魔神柱の操り人形であるはずだ」
魔神柱。ソロモン王の七十二の使い魔の名を騙るモノ。今、カルデアでロマニが取り掛かっている重大な任務は、特異点Fで仕留めたレフ・ライノールの遺骸の解析だ。それを果たせば分かるものもあるだろう。
だがソロモン王のデミ・サーヴァントであるロマニをして、解析には手こずっているらしい。簡単には分からず、今は宛にできない。
「ヘラクレスの野郎の戦力は大幅に落ちたのは間違いない。役割を決めよう。ランサー」
「応」
「お前は奴を仕留めろ。一対一だ」
「了解。手早く片付けて他の連中の援護に回れってんだろ?」
「そうだ。奴がどれだけの強敵であれ、あれほど宝具を消耗したんだ。遅れを取るお前じゃないと信じる。だが奥の手はまだ隠しているかもしれない。気を付けろ」
「あいよ」
軽く応じるクー・フーリンは、あくまで自然体だ。気負った様子もなく、戦場を支配した王の如き不敵な威風がある。彼に任せれば不覚はないと信じられた。
「アルトリア、オルタ。お前達は敵にヘクトールがいた場合これを抑えろ。アルトリアもそうだがヘクトールも九大英霊の一角。防戦の巧みさは伝説に刻まれるほどだ。二人掛かりでも決めきれないかもしれないが、最悪抑えるだけでいい」
「……ランサーには打倒しろと言うのに、私には足留めですか」
「いいでしょう、挑戦と受け取りました。最速で打ち倒して御覧に入れる。もしもランサーが奴を倒すよりも先だったなら、バーガーを山のように作って頂く」
「はは、怖いな。だが頼もしい。是非俺の予想を超えてくれ」
安心感では騎士王達もクー・フーリンに負けていない。それぞれが同一人物とはいえ、一騎だけでも聖杯戦争で主役を張り、勝利を掴み得る騎士である。ならば惑う事などあるものか。
士郎は全幅の信頼を置く三人を見渡し、それから黒髭とドレイクを見る。
「エドワード。ドレイク。この特異点は海が主なフィールドだ。敵は必然、船に纏わる英霊の可能性がある。ヘラクレス野郎が挑発の為に溢した、もう一人のアタランテの存在……そしてヘラクレス野郎を召喚出来る縁を持つと来れば、連想は簡単だろう? アルゴノーツのイアソンが敵首魁なのかもしれない。神代最高の知名度を持つ船乗りが敵になるとしたら、お前とドレイクは立派なメインを張る事になる。その時は頼むぞ。正面から打ち砕けるのはお前達だけだ」
「デュフフ、神話の船乗りなんざぁ、古すぎて朝御飯前ですwww ちゃちゃっと
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