幕間「仕掛けは大詰め」
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サーの宝具を相殺する為に捨てた。マルミアドワーズが今後振るわれる事はないだろう。考える必要はない」
エクスカリバー以上の剣、という下りにアルトリアは物言いたげな顔をしたが、それは流す。
マルミアドワーズを手に入れたアルトリアは、喜んでエクスカリバーからマルミアドワーズに剣を持ち換えようとしてマーリンに叱られた、という逸話があった。またはエクスカリバーを臣である騎士に貸し与えたとも。
「問題は奴の宝具だ。十二の試練に関わるものを宝具として取り出せる――これは破格だろう。狂戦士のヘラクレスが持っていた蘇生の不死性はないのだろうが、それにしたって壊れ性能だ」
「だが奴の宝具は粗方破壊した。奴の手札も戦力も底が見えるのではないか?」
「だな、アーチャー。念の為お復習だ、奴の試練に纏わるものをどれだけ破壊したかのな」
第一試練、ネメアの谷の獅子。これの産物であろう裘にはかなりの損傷を与えたが、まだ失われたわけではない。
第二試練、ヒュドラ退治。一度目の交戦の際に奇襲に用いられただけで、まだ備蓄はあると思われる。油断は禁物だ。もし食らえばその戦闘で復帰するのは難しい。アイリスフィールの宝具、玉藻の前の宝具を使用する隙を与えようとはしないだろう。
第三試練、ケリュネイアの牝鹿の捕獲。神獣であるケリュネイアの牝鹿は、オルタの聖剣で消し飛んだ。
第四試練、エリュマントスの猪。これはクー・フーリンの魔槍で屠っている。
第五試練、アウゲイアス王の家畜小屋の掃除。これは水の理を支配する形で具現化していたが、その殆どは消耗させたはずである。まだ使用可能である可能性はある。警戒は必要だ。
第六試練、ステュムパリデスの鳥。ヘラクレスはこれを追い散らすのに鳴子を使ったのだが、どうした訳か青銅の矢が変化する形で具現化している。或いは鳴子の方もあるかもしれない。これも油断は禁物。
第七試練、クレタ島の暴れ牛。クー・フーリンに以下同文。
第八試練、ディオメデス王の人食い馬。クー・フーリン以下同文。
第九試練、ヒッポリュテ女王の帯。オルタの聖剣を相殺する為に、ケリュネイアの牝鹿もろとも使い潰された。
第十試練、ゲリュオンの飼い牛。クー・フーリン以下略。
第十一試練、黄金の林檎。以下略。
第十二試練、地獄の番犬。以下略。
「……」
「……」
「……」
クー・フーリン、殺り過ぎである。
士郎は咳払いをして続けた。
「逸話から分かる通り、奴の移動手段は最早存在しない。第五試練のものを使えば単独でも動ける可能性はあるが、奴はもうそれをしないだろう。――次は必ず仲間を連れて来る。つまり決戦になると見ていい」
決戦。その響きに、マシュとアイリスフィールは固い唾を呑み込んだ。
しかしその
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