暁 〜小説投稿サイト〜
蒼穹のカンヘル
四十六枚目
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

否、剣ではなかった。

刃の無い、丸い刀身。

それは持ち手の短い槍だった。

『柊深瑠璃』

「ッ!?」

深瑠璃の頭に声が響いた。

『上だよ』

深瑠璃が上を向くと、そこには神々しい光を放ち、十二枚の翼を広げる篝がいた。

『魔法少女になりたいんだろう? 武器はくれてやる。魔法少女になりたいなら力を見せてみろ』

「!」

深瑠璃が蛇人間に刺さった槍を抜く。

蛇人間が砂と化した。

『あと、四体。ルガーランスがあれば楽勝だろう?』

深瑠璃が槍を構える。向かってきた蛇人間のどてっ腹に、一突き。

ガシャ! と音を発てランスの刀身が割れ、蛇人間を引き裂いた。

「次!」

向かってきた蛇人間を刀身が開いたままのルガーランスで突き刺した。

『トリガーを引いてみろ』

抵抗する蛇人間。

その拳が深瑠璃に届く前に、深瑠璃がトリガーを引いた。

バチチチ…バシュン!

刀身の間に紫電が迸り、何かが発射された。

『その槍には俺の雷の力が宿っている』

「雷撃槍……」

蛇人間が立ち上がり、深瑠璃に背を向ける。

「キシャッ! シャー!」

「ギシャー!」

壊走する蛇人間。

『撃て。アレは人を襲う類いの者だ』

「わかったよ…」

深瑠璃がライフルのようにルガーランスを構える。

瞳に紋様を浮かべ、深瑠璃がトリガーを二度引いた。

二度の射撃で二匹を倒した。

パチパチパチパチと拍手と共に篝が降りてくる。

「見事だ。柊深瑠璃」

篝の後ろにはレイナーレとカラワーナが控えている。

「……ありがとう。悪魔…? さん」

深瑠璃がルガーランスを返そうと、差し出す。

「君が持っていなさい」

篝がパチンと指を鳴らすと、ルガーランスが光に包まれた。

ルガーランスが消えた場所には、チェーンがついた小さくデフォルメされたルガーランスがあった。

「首にでも巻くといいよ」

深瑠璃は宙に浮くアクセサリーを手に取り、首にかけた。

「では。君の家まで送ろう」

篝が指を鳴らすと、深瑠璃の視界が闇につつまれた。

だがそれも一瞬の事。

闇が晴れると、深瑠璃は自分のマンションの玄関の前にいた。














side in

放課後、柊深瑠璃が部室にやってきた。

「やぁ、柊深瑠璃」

彼女を座らせ、ファイルを渡す。

「これは?」

「最近君を襲っていた蛇人間に関してだ」

例の蛇人間はやっぱりダークビーストだった。

グリゴリで調べた結果、一月前に死んだ魔術師のミニオンだったらしい。

「読んだな?
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ