四十六枚目
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否、剣ではなかった。
刃の無い、丸い刀身。
それは持ち手の短い槍だった。
『柊深瑠璃』
「ッ!?」
深瑠璃の頭に声が響いた。
『上だよ』
深瑠璃が上を向くと、そこには神々しい光を放ち、十二枚の翼を広げる篝がいた。
『魔法少女になりたいんだろう? 武器はくれてやる。魔法少女になりたいなら力を見せてみろ』
「!」
深瑠璃が蛇人間に刺さった槍を抜く。
蛇人間が砂と化した。
『あと、四体。ルガーランスがあれば楽勝だろう?』
深瑠璃が槍を構える。向かってきた蛇人間のどてっ腹に、一突き。
ガシャ! と音を発てランスの刀身が割れ、蛇人間を引き裂いた。
「次!」
向かってきた蛇人間を刀身が開いたままのルガーランスで突き刺した。
『トリガーを引いてみろ』
抵抗する蛇人間。
その拳が深瑠璃に届く前に、深瑠璃がトリガーを引いた。
バチチチ…バシュン!
刀身の間に紫電が迸り、何かが発射された。
『その槍には俺の雷の力が宿っている』
「雷撃槍……」
蛇人間が立ち上がり、深瑠璃に背を向ける。
「キシャッ! シャー!」
「ギシャー!」
壊走する蛇人間。
『撃て。アレは人を襲う類いの者だ』
「わかったよ…」
深瑠璃がライフルのようにルガーランスを構える。
瞳に紋様を浮かべ、深瑠璃がトリガーを二度引いた。
二度の射撃で二匹を倒した。
パチパチパチパチと拍手と共に篝が降りてくる。
「見事だ。柊深瑠璃」
篝の後ろにはレイナーレとカラワーナが控えている。
「……ありがとう。悪魔…? さん」
深瑠璃がルガーランスを返そうと、差し出す。
「君が持っていなさい」
篝がパチンと指を鳴らすと、ルガーランスが光に包まれた。
ルガーランスが消えた場所には、チェーンがついた小さくデフォルメされたルガーランスがあった。
「首にでも巻くといいよ」
深瑠璃は宙に浮くアクセサリーを手に取り、首にかけた。
「では。君の家まで送ろう」
篝が指を鳴らすと、深瑠璃の視界が闇につつまれた。
だがそれも一瞬の事。
闇が晴れると、深瑠璃は自分のマンションの玄関の前にいた。
side in
放課後、柊深瑠璃が部室にやってきた。
「やぁ、柊深瑠璃」
彼女を座らせ、ファイルを渡す。
「これは?」
「最近君を襲っていた蛇人間に関してだ」
例の蛇人間はやっぱりダークビーストだった。
グリゴリで調べた結果、一月前に死んだ魔術師のミニオンだったらしい。
「読んだな?
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