第一章
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ゴスロリ王女の冒険譚
ハンナ=フォン=ザーツブルグはドイツの南のある小国かつては神聖ローマ帝国の領主であった王国の王女である。
ドイツ系といっても髪の毛も瞳も黒く顔立ちも何処か日本人に似ていてしかも親日派ということで日本では人気がある。その彼女が。
大胆にも来日した折りに日本の女子高生に変装して秋葉原で買ったゴスロリファッションで街を歩いていた、その王女に従者のコンスタンツェ=フォン=エルゼルセンが主と同じく変装してやはりゴスロリの恰好で後ろから言った。
「王女様、幾ら何でも」
「お忍びでお外を歩くのは駄目かしら」
「ここはお国ではありません」
だからだとだ、コンスタンツェはハンナに話した。
「ですから」
「大丈夫よ、完璧な変装だし」
ハンナは余裕の笑顔で言い切った。
「私が王女だなんて誰もわからないわ」
「そうでしょうか」
「こんな格好のお姫様はいないわよ」
黒に赤、やけに目立つゴスロリだ。目立つが確かに王女には見えない。
「背中にはかばんもあるしね」
「かばんは日本のアニメの影響ですね」
「いつもこれを背負っているキャラクターがいるらしいから」
ハンナは実際に親日派で日本の文化や文学に親しんでいる、その中でアニメの知識も多少は言っているのだ。ただし結構不完全である。
その知識からゴスロリでかばんを背負っている格好で言うのだ、見ればメイクもかなり巧妙でよく知られているハンナの顔ではない。それはコンスタンツェも同じだ。
「それに貴女という護衛もいるでしょ」
「わたくしもですか」
「武芸百般のね、だから」
「お忍びで出られて」
「日本の伝説のお菓子を食べにいくわよ」
「あの食べる前はふわふわで」
「食べたらお口の中で甘く消えていくというね」
「あのお菓子をですね」
「この近くで神道のお祭りをやっているらしいから」
それでというのだ、ハンナが自分を歓待する為のパーティーに参加した時に日本人達が話しているのを聞いての情報だ。ハンナは日本語も理解出来るのだ。
「だからね」
「お祭りに出て」
「そのお菓子を食べましょう」
「それで、ですか」
「食べたら帰るから」
ハンナはこのことを約束してだ、そうしてだった。
コンスタンツェを連れて彼女を護衛にしてだった、そのうえで神社のところに行った。すると広い境内に多くの日本の出店が並んでいて。
様々なものが売られていた、どれもハンナがはじめて見るものばかりだったが。
ハンナはコンスタンツェと共に素性を隠したうえでその伝説のお菓子について麺類、焼きそばだがハンナ達が名前を知らないそれを売っている親父に聞くとだった。
「ああ、わたあめだね」
「わたあめ?」
「隣の店だよ」
丁度自分の隣の出店
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