第6章:束の間の期間
第198話「繋がる世界」
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能性”の一言にこそ重要な理由が込められていると即座に理解した。
「貴方は人の身でありながら、あり得ない程の“可能性”を秘めています。王の才能がないのにも関わらず国を保ち、天才的な強さではないのに強者であり続けました」
「………」
導王の事を知っている事に、優輝は驚かない。
相手は神だ。前々世の事を知っていてもおかしくはない。
「そして、今の人生でも。貴方は幼い身でありながら、かつての力を発揮し、さらには他の世界の法則を当てはめる事により、“受肉した英霊”と言う存在に昇華しました。……どれも、普通はありえない事です」
「……そうだな」
あり得ない、なんてものじゃない。
どんな逆境下でも諦めないのは、確かに美徳と呼べるものではある。
しかし、実際にそこから逆転するというのは、奇跡でしかない。
それと似た事を、優輝は何度も成しているのだ。
……それを異常と言わず、何という。
「貴方のその“可能性”は因果すら覆します。そして、それは神界に手が届く程……。貴方が無理矢理とはいえ“格”を上げる事が出来たのも、それが原因です」
「だから、気になる訳か」
自身の素質のようなもの。
それが異常なものなら、注目するのもおかしくはない。
椿の本体である草祖草野姫も優輝に注目していたのだ。
優輝にとっては、今更注目されても驚く事ではなかった。
「……以上が、貴方が気にしていた私の視線の理由です」
「……なるほど……な」
奏の内に宿る存在は、優輝も気になっていた。
そのため、訳を聞くのと同時にその事が判明したのは良かった。
「……最後に、もう一つ聞かせてくれ」
「何でしょうか?」
「僕らが今まで調べてきた情報を纏めると、一連の不可解な事件は何者か……神界の邪神が僕を目当てに仕掛けてきた事となっている。なぜ、僕を狙っているんだ?やはり、今言った“可能性”が関わっているのか?」
“人形”の襲撃者も、“エラトマの箱”も、優輝が少なからず関係していた。
明らかに優輝に対して何かの目的があったのだ。
祈梨の話を聞いて、今ここで尋ねておいた方が無難だと思い、優輝は尋ねた。
「……そうですね。どのような思惑なのか、私にも分かりませんが……おそらくは貴方の“可能性”が関わっていると見ていいでしょう」
「……そうか」
祈梨も詳しくは知らなかった。
知っている範囲の情報は、優輝にとっても予想出来ていた事だった。
「時間を割いてもらってありがとう。……僕はこれから出来る限り情報を拡散してくる」
「分かりました。私は回復に専念しておきます。……まだ、全快した訳じゃないので」
「分かった」
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