サドンデスだ士郎くん!
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
炎として、劫々と燃える清冽な偉志が騎士の盟を謳っている。
その眼が告げていた。――お任せを。シロウの道に立ち塞がるあらゆる障害は、我が聖剣を以て打ち砕くが我が忠節。騎士の誉れは貴方と共にある。マスター、指示を。
衒いなき騎士王の信に、鉄心の男もまた揺るぎなき信で応えた。
「令呪起動。セイバー、お前の剣に、俺達の勝利の輝きを」
具体性の欠いた、抽象的な指令に蒼き騎士王は莞爾と笑む。言葉の裏に隠された祈りと信頼に、応えられずして何が騎士王、何がサーヴァント、何が愛する男の剣か。
敗着の運命など訪れない。この剣は未来を照らす希望の光。輝ける命の奔流。伝説に名高き騎士達の王は、今こそ聖剣の封を解く。
「十三拘束解放──円卓議決開始」
それはブリテンにて円卓を築いたアルトリアの戒め。『強すぎる兵器は、ここぞという時しか使用してはならない』というもの。特定の条件を半数クリアする事でその拘束が解かれるのだ。
アルトリアの脳裡に在りし日の戒めが過る――
『共に戦う者は勇者でなくてはならない』と、サー・グリフレットが忠告した。
『心の善い者に振るってはならない』とサー・ボールスは窘めた。
『是は生きる為の戦いであるか』と、 サー・ケイは糺した。
『是は己より強大な者との戦いであるか』と、サー・ベディヴィエールは諌めた。
『是は人道に背かぬ戦いであるか』とサー・ガヘリスに問われた。
『是は精霊との戦いではないか』とサー・ランスロットが念を押した。
『是は邪悪との戦いである事』を、モードレッドは王の在り方と共に確かめた。
『是は私欲なき戦いである』と聖杯に選ばれしギャラハッドは確かに認めた。
そして。
「是は――世界を救う戦いである」
解き放たれるは九つの封。星の鍛えた最強の幻想は、眩い黄金の燐光で周囲を照らす。おお……。信じがたいものを見たように、黒髭が眼を見開いている。
「『人の星、震撼せし万象』」
「『約束された――勝利の剣』ァッ!」
打ち出されるは二柱の水の龍。辺りの海水全てを巻き込み、膨大窮まる数千トンもの質量を無限に等しい魔力の猛りに後押しさせて束ねている。大陸を四つに引き裂く対界宝具が撃ち放たれ、震撼する大海の悲鳴が海底の土を露出させた。
潮流が大いに狂い足場となる船は掻き回され地に落ちるが摂理なれど、黒髭の船は宝具である。多量の魔力を燃焼させ――海賊船は「空を翔んだ」。
赤い弓兵によって投影された数十ものワイヤーに連結された『黄金の鹿号』もまた、引き摺られるようにして空を舞う。迫る恩讐の狂咆。迎え撃つは、不敗の男
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ