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おぢばにおかえり
第四十九話 合格してからその二十三

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「確か」
「その時なのね、そういえばね」
「そういえば?」
「その頃戦争が終わってすぐで色々あった時期だけれど」
 ここで私が思い出したことはといいますと。
「三代前の大教会長さんもその頃にお亡くなりになってるわ」
「今の大教会長さんのお祖父さんですね」
「ええ、結構若くしてお亡くなりになって」
「結核ですか?」
「詰所で急にだったの」
 出直しになったとのことです。
「それで奥さんが大教会長さんになられたのよ」
「そうだったんですね」
「本当に急だったらしいわ」
 終戦直後なので私もよく知らないお話ですがそうらしいです。
「あっという間の」
「急死ですか」
「持病なしにね」
「そうした出直しもあるんですね」
「そうなの。それで前大教会長さんが就任されるまではね」
「奥さんが、だったんですか」
「そうだったの」
 つまり前の前の大教会長さんです。
「私もお会いしたことがあるけれど」
「どんな人だったですか?」
「曲がったことのない方だったわ」
 実はあまりお会いしたことはないです、今の大教会長さんそれに前の大教会長さんにお会いしたことは多いですが。
「お父さんお母さんも言ってたけれど」
「そうなんですね」
「もうお出直しになって五年ね」
「あれっ、案外最近ですね」
「長生きされたから」
 おみちの人には多いみたいです、天理時報とかを読んでいても九十歳でお出直しになっている人も多いです。
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