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蒼穹のカンヘル
四十五枚目
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象の祝福を汝に与える者。汝我が祝福と呪いを以て転生せよ」

ピースが光輝きながら、藍華の胸に入っていく。

「あったかい…」

「これで終わりだよ」

「え?」

「以外とあっさりしてるでしょ?」

「ええ…はい」

クルリと、篝が藍華に背を向けた。

「カラワーナ、彼女の服を用意しろ」

「御心のままに」

カラワーナが手招きし、藍華がついていく。

篝は龍人のまま、ソファーの上に横になった。

「はふぅ…」

羽と尻尾をだらしなく伸ばす。

ヴオン…と闇と共に篝の前に現れたのは、金髪ダウナー系のイケメンだった。

「章(あきら)? どしたの?」

「いいんですかねぇ?あの子」

「いいんじゃないかな。それにいい掘り出し物だ。彼女人間以外の血が混じってる。うっすいけどね」

「へー。何の血ですか?」

「サキュバスだな。あれは」

ピュゥーと章が口笛を吹いた。

「ドラゴニューツや龍魔天使には効かないだろうけどな」

「効いたら貴方が受け入れませんよね。篝様」

「ま、そうなんだけど」

篝と章が話していると、カラワーナと藍華が戻ってきた。

「じゃぁ俺は戻って寝ます」

「おい。宿題やれよ?」

「はーい」

再びロストでどこかへ消える章。

戻ってきた藍華が来ていたのは駒王学園の制服とほぼ同じものだ。

「カラワーナ。間違いないな?」

「勿論です」

「桐生藍華、少し痛いかもしれんが我慢しろ」

篝は藍華の後ろに回ると、心臓の後ろに手を当てた。

刹那、藍華の背から翼が伸びた。

次に尻尾、角と続き、最後にエンジェルハイロゥが現れた。

「大丈夫? 痛くなかった?」

「どちらかと言えばくすぐったい気が…」

「なら大丈夫」

パチンと篝が指を鳴らし、姿見を召喚した。

「これが、新しい君だ」

藍華が、鏡をまじまじと見る。

「これが…私…」

「望めば尻尾や翼は消せる」

藍華が望むと本当に消えた。



「歓迎するよ桐生藍華。こちらの世界にようこそ、ってね」

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