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遊戯王BV〜摩天楼の四方山話〜
ターン5 多重結界のショータイム
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それを彼女はこれから、水属性以外を特殊召喚できないこの状況で打ち破らねばならないのだ。ターンエンド、という初手からコンボを決めた余裕さえも透けて見える言葉を彼女はしかし、面白いじゃねえかと笑い飛ばしてみせる。

「アタシのターン、ドロー。さーて……ユニゾンビを召喚し、効果発動。豪雨の結界像を指定し、デッキからアンデット族1体を墓地に送り込むことでそのレベルを1だけ上昇させる」

 ユニゾンビ 攻1300

 彼女が召喚したのは、攻撃力では結界像に遥か及ばないユニゾンビ。多少のダメージは必要経費と割り切り、とにかくこの状況を打破するための破壊カードを1ターンでも早くドローするためのデッキ圧縮を狙ってのことである。
 それは極めて妥当な、動きを封じられた彼女に可能な最善手。だが、それは同時に極めて読み切られやすい諸刃の剣でもあった。

「手札から灰流うららの効果を発動。このカードを捨てることで、デッキからカードを墓地に送る効果を無効にする」

 桜吹雪が結界を流れ、力を奪われたユニゾンビが互いの肩に掴まりどうにか倒れ込まないようにバランスをとる。出鼻をくじかれた彼女を無感情に眺める蜘蛛の眼は、獲物の抵抗を見つめる異名通りの捕食者のそれであった。

「……カードを2枚伏せて、ターンエンド」
「もう威勢が弱まってきているようだが?俺のターン、ドロー。このターンも魔法カード、強欲で謙虚な壺を発動。デッキの上から3枚はそれぞれ大革命返し、月鏡の盾、ガリトラップ−ピクシーの輪か。月鏡の盾でもいいが……ここは大革命返しを手札に加える。多少は運がいいようだな、2種目の結界像はいまだに俺の手札にはない」
「はっ、アンタの日頃の行いが悪いんだろ?」
「その元気がいつまで続くのか、見せてもらうとしよう。ライトPゾーンにスケール6、EMリザードローをセッティング。そしてEMセカンドンキーを召喚し、オレイカルコスの効果で攻撃力上昇。さらにセカンドンキーが場に出た際に俺はデッキのEM1体を墓地に送るが、この瞬間に俺のPゾーンのカードが2枚揃っているのならばそれをサーチに変更することができる。2枚目のドラミング・コングを手札に」

 次に蜘蛛が召喚したのは、その名の通り茶色いロバのモンスター。その額にもオレイカルコスの印が光る一方で、糸巻は何か引っかかるものを感じていた。この蜘蛛という男と彼女にこれまで面識はないが、どこかに懐かしさを感じる。

 EMセカンドンキー 攻1000→1500

「EMリザードローのペンデュラム効果を発動。このカードの対となるPゾーンにEMが存在するとき、このカードを破壊して1枚ドローすることができる。そして空いたライトPゾーンに、手札に加えたドラミング・コングを発動」

 その直後、糸巻の思考を断ち切るかのように
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