暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王BV〜摩天楼の四方山話〜
ターン5 多重結界のショータイム
[12/14]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ュエリストとしてのファイトスタイルならアタシに一日の長がある。いうなればアンタはアタシの後輩、その後輩相手に初見の状態で負けてやるほどにアタシの腕は鈍っちゃいないよ。さあ、おしゃべりはもう終わりだ。ターンエンドを宣言してみな?元プロの本気、たっぷり思い知らせてやるからよ」

 喋り続けるうちに手の中で短くなった煙草を未練がましく口の端に咥え、とびっきりの好戦的な笑みを浮かべてみせる。そしてその挑発に、蜘蛛は応えてみせた。

「いいだろう。その大口が嘘ではないと、俺に証明してみせろ!ターンエンドだ!」
「いいねえ、今のはなかなかいいお膳立てだ。フィールドはアンタが圧倒的に有利、アタシにはもう手札もない。でもご期待通り、1発でひっくり返してやるよ!アタシのターン、ドロー!」

 素早く唯一の手札に目を走らせ、その目を輝かせる。

「このターンもバージェストマ・オパビニアの効果を発動。オーバーレイ・ユニット最後の1つを取り除くことで、デッキからバージェストマを手札に加える。バージェストマ・マーレラをサーチだ」
「マーレラ……デッキからトラップ1枚を墓地に送るカードだったか。そんなものを今更サーチして、何ができる」
「何ができるって?盤面だけ見りゃ、確かにアンタがこのまま勝つのが道理ってもんだろうさ。でもな、アタシは道理なんざぶち壊して、理不尽に無理を通してみせる。魔法発動、一撃必殺!居合ドロー!」
「何かと思えば……居合ドローだと?引くというのか、この1回で?」

 居合ドローは墓地にカードを送ったのちにカードを引き、その後に墓地から落とした数だけカードを選びデッキに戻す効果があるが、それだけではなくもしそのドローカードが2枚目、あるいは3枚目の居合ドローだった場合にのみ発動する真の効果がある。フィールドをすべて破壊し、その破壊し墓地に送ったカードの数1枚につき2000ものダメージを相手に与える文字通り一撃必殺となりうる効果が。そしてその性質上発動時には破壊が不確定であるために、カードが何枚出ていようが蜘蛛は大革命返しを発動することも不可能。

「ああ、そうさ。引くんだよ、これからな」

 彼女はそう言って不敵に笑う。だが、その確率はあまりにも低い。同名カードを引かねばならないという性質上、デッキの残り枚数によって若干の確立変動こそあるもののその成功率はデッキ内に同名カードが2枚残っている最初の一撃が最も成功率が高いからだ。すでにその一撃を無効にさせた糸巻のデッキに、残る居合ドローは1枚のみ。彼女がこれまでのデュエルで使用してきたカードによって多少デッキが掘り進められているとはいえ、まだ30枚近く存在するデッキの中からピンポイントでそれを引き抜かねば彼女に勝機はない。しかも仮に最後の居合ドローがデッキの上の方にあったとしても、こ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ