めがみ
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。
「そんなに畏まらなくてもいいわ」
「わかりました」
女神がベルの手から地図を取り上げた。
「オラリオは初めてかしら坊や」
「一月前にオラリオに来たんですけど、ダンジョンばかりでして。それで今日は街を見て回ろうと思ったんです」
「ふーん……。案内してあげましょうか?」
「いいんですか?」
「ええ。オラリオは長いもの」
女神がベルの手を取る。
「とっても頼りになる、男の手をしているのね」
「はい! ファミリアの皆さんに恥じないような冒険者でいたいですから!」
「いい笑顔だわ。欲しくなっちゃうくらい」
「ゅ?」
「なんでもないわ。さ、行きましょう」
女神がベルの手をとる。
「あの、女神様。お名前を伺ってもいいですか?」
「私? 私の名前はフラウよ」
「婦人……? わかりましたフラウ様」
「あら、私の名前になにか言いたい事があるのかしら?」
「いえ。女性には秘密が付き物とおじいちゃんから教わりましたから」
「あら、紳士なのね」
フラウと名乗った女神がベルを連れていったのはカフェだった。
「ちょうどお昼だし、食べて行きましょう」
「はい」
そこは神が趣味で経営している場所だ。
二人が注文を決める。
注文を取りに来たのはヒューマンの男性だった。
「ランチセットを二つ。コーヒーで頼むわ」
「は、はひっ!」
男はフラウを見て顔を赤くした。
「モテますね。フラウ様」
「こんなのただの見てくれよ」
「フラウ様は僕が見たなかで一番の美神ですよ。きっとそれは内面の美しさの現れです」
「口が上手いのね、貴方」
「女性を褒められないのは紳士失格ですから」
ふんすっ、とドヤ顔をするベルの頭をワシャワシャ撫でるフラウ。
「あぅあぅあぅ…」
「可愛い紳士ね」
二人が世間話をしていると、注文が届いた。
パスタをフォークに巻き付けて頬張る。
「おいひいれふ」
「気に入ってくれてよかったわ」
フラウは目の前でもきゅもきゅとパスタを頬張るウサギを眺めていた。
「ぅゆ?」
「なんでもないわ」
ベルが自分の分を食べ終えた後、悪戯心でフラウは自分のフォークに巻き付けたパスタをベルにさしだした。
「はーぐ……あぐあぐ………ゅ?」
コテンと首を傾げるベル。
「少し多いの。私の分の残りも食べてちょうだい」
「ゅ!」
フラウはベルに餌付けしながら、じっくりとベルを観察していた。
昼食を終え、ベルが代金を払う事を押し切った後は、オラリオのシンボルを順に廻って行った。
そして
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