ソードアート・オンライン〜剣の世界〜
3章 穏やかな日々
29話 あの日の出来事
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
会はなく、ギルドに入ったと知ったのも、かなり後の、ボス攻略会議で会ったときに初めて知ったぐらいだ。
そして、その後のボス攻略会議で、初めてキリトの入っていた彼を除くギルドメンバー全員が死亡したことを知った。恐らく、あの時のキリトの様子は、一生忘れないと思う。一番大切なものが見えてなかった自分に、死ぬほど腹が立ったことを憶えている。それはツカサも同じで、結局考え抜いたが、二人が自分たちにできることといえば、そばにいてやることしかできなかった。死んだ人間は返ってこない。それはリアとツカサがよくわかっている。だからこそ、「死んだとは限らない」などという、現実逃避の甘い言葉は口が裂けてもかけられなかった。
だが、それから約半年後、ある情報が出回っていた。
「…ツカサ君はどう思う?」
「俺は…もちろん、デマだと思ってる。だけど、絶対に嘘をつかないといわれるNPCが言うんだから…って考えも、一応ある」
「だよね…」
ある情報というのは、12月24日24時丁度、どこかの森にある樅の巨大な木の下に、“背教者ニコラス”なる伝説の怪物が登場する。もし倒すことができれば、怪物が担ぐ大袋の中にある財宝を手にすることができる。そして、その財宝の中には、命の尽きたものの魂を呼び戻すほどの神器さえもが隠されているという情報だ。
腕利きの情報屋、鼠のアルゴから、キリトがこの情報を買い、キリトが買ったということをクラインが買い、クラインが買ったという情報をまたキリトが買い、そしてその全部の情報をリアとツカサが買ったという、なんとも奇妙なことになっているのだが…。
ともかく、キリトがこの情報をもとに、このボスを狙っていることはわかった。だが、リアとツカサは、この情報に対して半信半疑だった。
「死んだ人が、帰ってくるわけない」
リアは小さくつぶやいた。唇をかんでいるリアを見て、ツカサもこぶしを握り締めた。
「それは…あたりまえだ」
リアの右手は、胸元にあるなにかを握りしめるような形をしていた。現実世界に置いてきた、大切なものを。
「だけど…このまま放っておくことはできない」
「わかってる。キリトは、絶対に来るから…行かなきゃ…」
―?―?―?―?―?―?―?―?―?―
自分でもわかってた。頭の隅では。死者が生き返るはずはないのだと。それでも、一ミリの希望があるのなら、俺はそれにすがりたかった。いや、すがることで、今この瞬間生きている意味を見出しているのかもしれない。
「キリト!」
俺の名前を呼ぶのは、風林火山のリーダー、クライン。その後ろには風林火山のメンバーもいる。俺の跡をつけていたクラインは、一緒にボスモンスターを倒し、アイテムはドロップしたもの勝
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ