第四十二幕:見えない虹に気付く時
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時崎「え!?」
七夏「えっと、水面の近くを泳いでるお魚さんです☆」
時崎「ああ、あれ? アロワナの事?」
七夏「はい☆」
時崎「気になるというか、優雅だなと思って」
七夏「くすっ☆」
しばらく、七夏ちゃんと一緒に大きな水槽を眺める。
七夏「どおしてずっと水面の近くに居るのかな?」
時崎「え!? ああ、水面に落ちてきた獲物を狙ったり、水面近くの木に止まっている虫を狙ったりするからね」
七夏「そうなんだ。でも水面より上の虫さんって・・・」
時崎「ジャンプしてかぶりつく!」
七夏「ひゃっ☆」
時崎「あ、ごめん!」
七夏「くすっ☆」
時崎「かぶりつくで思い出したけど、七夏ちゃん、お腹すかない?」
七夏「え!? あ、そう言われると少し・・・」
時崎「あっちに、お弁当販売と休憩所があるから、そこでお昼にする?」
七夏「はい☆ ありがとです☆」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
時崎「七夏ちゃん、お弁当、色々あるけど、どれにする?」
七夏「えっと、あ、このイルカさんのが可愛いです☆」
時崎「イルカランチか、じゃ、それにする?」
七夏「はい☆ 柚樹さんは?」
時崎「俺は・・・そうだな、クジランチにしようかな?」
七夏「クジラさんのお肉って高級品です☆」
時崎「そうだけど、鯨の肉は入っていないと思うよ!?」
七夏「そうなんだ」
時崎「七夏ちゃんの頼んだイルカランチにも、イルカの肉は入ってないと思うよ?」
七夏「はい☆ それは分かってます☆ きつねのおうどんと、たぬきのおそばも、そうですね☆」
時崎「あ、ああ!」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
七夏「いただきまーす☆」
時崎「いただきます!」
七夏「わぁ☆ とっても可愛いです☆ 柚樹さんのはどうかな?」
時崎「俺のは、こんな感じ・・・って、おいおいっ! これ本当に鯨の肉じゃないか!」
七夏「え!? そうなの?」
時崎「七夏ちゃん! ちょっと食べてみてよ!」
七夏「え!? えっと・・・」
時崎「はい! どうぞ!」
七夏「ありがとです! 私のこの揚げ物と交換で☆」
時崎「ありがとう!」
七夏「クジラさんのお肉って高級品であまりお店でも見かけないから、頂いた事がないです」
時崎「そうだね。でも昔は普通に売っていたらしいよ」
七夏「あ、お母さんもそう話してました。学校の給食に鯨さんのお肉があったそうです☆」
時崎「今は、調査捕鯨分だけみたいだからね」
七夏「はい☆」
時崎「イルカの肉は・・・まあ、食べる習慣はなさそうだね」
七夏「くすっ☆」
時崎「イルカと言えば、イルカのショーが、もうすぐ始まるみたいだよ。後で見にゆく?」
七夏「はい☆ 楽しみです☆」
お弁当を頂いて、水族館の本館を出る。イルカショーの開催場所へ
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