第四十二幕:見えない虹に気付く時
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りて隣町の駅に着く。この場所も何度か来たから、ある程度の事は分かる。七夏ちゃんは、先を急ぐ様子はなく俺の隣に居る。
時崎「七夏ちゃん、水族館まではバスがあるみたいだよ? 急ぐ?」
七夏「えっと、バスもありますけど、水族館までなら、のんびり歩く方がいいかな。お小遣いの節約にもなります☆」
時崎「了解! 途中で気になるお店があったら寄るから声かけて」
七夏「はい☆ 柚樹さんもです☆」
時崎「ああ」
いつも気を遣ってくれる七夏ちゃん。俺は気になるお店があっても、七夏ちゃんが気にならない場合は気にしない事にする。
時崎「七夏ちゃんは、この街の水族館に来た事あるよね?」
七夏「え!? はい☆ あります☆ どおして分かったの?」
時崎「いや、隣街だけど七夏ちゃんの家から最寄りの水族館だから、一度は着ているだろうと思っただけ」
七夏「くすっ☆ 小学校の時に来ました☆ ここちゃーも一緒です☆」
時崎「天美さんも?」
七夏「学校の遠足です☆」
時崎「なるほど☆ じゃ、ある程度は知っているんだね」
七夏「はい☆ でも、久々ですから、色々と知らない事もあると思います」
時崎「新しい発見ができるといいね!」
七夏「はい☆」
水族館の建物が見えてきた。同時に風が潮の香りを運んでくる。水族館は海が近い場所にある事は調べていたけど、実際に来てみないと感覚できない事もある。潮風が心地よい。
七夏「あ!」
時崎「どうしたの?」
七夏「昔の記憶と違ったから」
時崎「あ、この建物は数年前に新しくなったみたいだよ。夜にはライトアップもされる日があるらしいよ」
七夏「そうなんだ」
七夏ちゃんと一緒に水族館に入る。
館内に入ると大きな水槽が飛び込んできた。
七夏「わぁ! とても広いです☆」
時崎「迫力ある水槽だね!」
七夏「はい☆ 前に来た時は無かったです」
時崎「そうなんだ」
七夏ちゃんは、目の前に広がる「珊瑚と海の世界」に近づいてじっと眺めている。
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俺は、その様子を一枚撮影し、七夏ちゃんが何か話してくるまで、待つ事にした。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
七夏「柚樹さん、ごめんなさい」
時崎「どうしたの?」
七夏「私、長い間ぼーっと海を眺めていたから・・・」
時崎「俺も一緒に眺めていたよ! 時間を忘れてしまいそうになるね!」
七夏「はい☆」
時崎「もう少しここで眺める? 他も見て回る?」
七夏「ありがとです☆ もう少し眺めてていいかな?」
時崎「もちろん、一緒に眺めるよ!」
七夏「くすっ☆」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
七夏「柚樹さん、ありがとです☆」
時崎「もういいの?」
七夏「はい☆ 他も見て周りたいです☆」
時崎「よし!
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