第四十二幕:見えない虹に気付く時
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「あっ・・・・・」
髪を結っている七夏ちゃんは何度も見た事があるけど、頭の上の方で髪を結っている「ポニーテール」は珍しいと思う。大きなリボンは蝶のようにも見えた。衣装もお出掛けの時はスカートが多い七夏ちゃんだけど、今日はデニムのアウターとお揃いのショートパンツにレギンスって言うのだろうか? かなり冒険・・・いや、頑張ってくれた感があって嬉しくなる。何の躊躇いもなく「可愛い」と言葉になっていた。
時崎「はじめまして・・・かな?」
七夏「くすっ☆ よろしくです☆」
時崎「よし! では出掛けますか!」
七夏「はい☆ 柚樹さん、ここちゃーみたいです☆」
時崎「天美さん?」
七夏「えっと、話し方☆」
時崎「なるほど!」
天美さんのような話し方の方が、七夏ちゃんも自然に話せるのかも知れない。
凪咲「七夏、気をつけて楽しんでらっしゃい♪」
七夏「はーい☆」
時崎「では、出掛けて来ます!」
凪咲「いってらっしゃいませ!」
七夏ちゃんと商店街を歩いて、駅前へと向かう。この前はここで小さな虹を見たな。虹はいつも突然現れるから、常にその事を意識しておいた方が良いのかも知れない。
七夏「? どしたの? 柚樹さん?」
時崎「え!?」
七夏「早く水族館に着くといいな♪」
時崎「ああ!」
そう話す七夏ちゃんは、いつもよりも少し速く歩いている気がする。
時崎「七夏ちゃん、今日は少し速く歩いてる?」
七夏「はい☆ 今から楽しみで、今日は動きやすいように意識しました☆」
時崎「なるほど」
今日の七夏ちゃんの格好、七夏ちゃんも色々と考えている事が分かったから、俺も七夏ちゃんの心に歩みを合わせる。
七夏「くすっ☆」
時崎「七夏ちゃんに遅れないように意識するよ」
七夏「はい☆」
・・・と話しつつ、七夏ちゃんを撮影する事を意識すると、どうしても七夏ちゃんの後を付いてゆく形になってしまう。七夏ちゃんもその事は分かってくれているようで、急ぎながらも、俺の事を気遣ってくれた。
駅前に着いた。この駅前の街並みも随分見慣れた風景になった。これまでの色々な出来事が頭の中を駆け巡り始めかけた時−−−
七夏「柚樹さん☆」
時崎「どうしたの?」
七夏「早く! 列車が駅に来てます☆」
時崎「え!? あ、分かった!」
急ぐ七夏ちゃんに付いてゆく形で切符を買い、駅のホームへと向かう。七夏ちゃんは列車の扉の前でこちらを見て、少し苦笑いの表情を浮かべた。
七夏「柚樹さん、えっと、ごめんなさいです」
時崎「!? どうしたの?」
七夏「列車、普通でした」
時崎「え!? 普通? どういう事!?」
七夏「急ぐ必要なかったみたいです」
時崎「そうなの? と、とにかくこれに乗ればいいんだよね!?」
七夏
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