第四十二幕:見えない虹に気付く時
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とうございました。またのお越しをお待ちいたしております!」
俺もお泊りのお客様に会釈程度だけど挨拶をして見送った。何もしていない事が後ろめたく思える。
時崎「凪咲さん、すみません。何も出来てなくて」
凪咲「いいのよ、柚樹君は昨日、ずっと七夏の看病をしてくれてたから、何もしてない事はないわ。とても助かりました」
時崎「ありがとうこざいます」
凪咲さんの言葉に救われる思いだけど、俺はお泊りのお客様の事を今、会うまで、全く忘れていた。民宿風水のお手伝いをすると話している以上、これは反省点だと思う。
凪咲「柚樹君」
時崎「はい!」
凪咲「今日は七夏とお出掛けかしら?」
時崎「はい、隣街の水族館へ出掛けるつもりです」
凪咲「七夏の事、よろしくお願いします」
時崎「こちらこそ! あ、出掛けるまでに何か手伝える事がありましたら、声を掛けてください」
凪咲「ありがとう♪ 七夏のアルバム、楽しみにしているわ♪」
時崎「はい! では、部屋にいますから!」
凪咲さんに頭を下げて、自分の部屋へと戻る。今日出掛ける予定の水族館については、昨日調べているから、先にアルバム作りに集中する。凪咲さんへのアルバムは、ある程度まとまってきているけど、やはり俺だけではなく、七夏ちゃん、天美さん、高月さ・・・高月さんの事を考えると、心が揺れてしまう。凪咲さんから「これからもよろしく」と聞いているけど、高月さんと今までどうりお話しができるのだろうか!?
いや、今までどうりでなければ、高月さんや七夏ちゃんの気持ちに応える事にはならないはずだ。
七夏ちゃんに、天美さんと高月さんの都合を聞いてもらおうと思う。アルバム作りの事なら、協力してくれるはずだから。
・・・俺は、このアルバムまでも利用しようとしているのだろうか!?
と、とにかく、みんなに訊く事をまとめておく。後は、七夏ちゃんへのアルバム作りを再開しよう。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
扉から音が聞こえる。
時崎「七夏ちゃん!? どうぞ!」
七夏「柚樹さん、えっと・・・」
時崎「???」
扉の向こうから七夏ちゃんの声がするけど、部屋に入ってこない。俺は扉を開ける。
七夏「あ、ありがとうです☆」
七夏ちゃんは両手でお盆を持っていた。
時崎「お茶と和菓子、ありがとう! 入って!」
七夏「はい☆」
時崎「宿題で分からない所はない?」
七夏「はい☆ 今日の分までは済ませました☆」
時崎「え!? もう終わらせたの?」
七夏「はい☆ 柚樹さんの履歴があって助かりました♪」
時崎「履歴!? マイパッドの事?」
七夏「はい☆ 柚樹さん、私がお休みしている間に、訊いていないところまで調べてくれてたみたいだから、そのおかげです☆」
時崎「それにし
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