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Epica35-Aエレミアの手記〜She's Memory1〜
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エ達と知り合いだったカイラさんの記憶に反応しちゃったんだと思います・・・」

「あー、そういえばそうやったっけ」

「私もそうです。ジークさんがファビアさんを小突いたその光景は、クラウスの記憶の中にもあります。ひょっとしたらファビアさんもその記憶を思い起こしたのでは・・・?」

ファビアさんは溢れ続ける涙を拭い続けるだけで、返事らしい返事はしてくれませんでした。そんな中、「ファビアさん。一緒に確認しませんか?」とフォルセティさんが1冊の本を後ろ手から私たちに差し出しました。

「セティ、まさかソレは・・・!」

「はい、ヴィクターさん。ファビアさんとの交戦中に見つけました。中をチラッと確認しましたけど、間違いなくエレミアの手記です」

皆さんが「おおー!」と歓声を上げる中、私とファビアさんはその手記を見詰めます。ジークさんが「そうやね。ご先祖様のわだかまりを解かなあかんよね」と受け取り、分厚い表紙を捲りました。

「あ、ちょっと待ってください。フォルセティ。ファビアさんを拘束してるバインド、解除してあげて?」

「大丈夫かそれ? 暴れだしたり、オレらみたく小さくされたり、瓶に閉じ込められたりするかもだぜ?」

「もうその心配はないと思うよ? 同じ手は私たちにはもう通じないし、それに何より・・・」

「はい。ファビアさんが気になり過ぎてそわそわしてますし・・・。大して興味ないけど、って言っていたけど・・・」

「べ、別に気になんかなってない」

またプイッと顔を逸らしますが、ファビアさんはエレミアの手記をチラチラ。皆さんはその様子に苦笑いを浮かべ、フォルセティさんは「判った」と頷き、彼女を縛っているバインドをすべて解除しました。本を開くジークさんの側に私とヴィヴィオさんと、自由になったファビアさんが集まります。

「えっと、ゼーゲブレヒト及びシュトゥラ滞在時の記録を手記に残す。エレミア、あるいはヴィルフリッド、もしくはリッド・・・」

エレミアの手記は、オリヴィエ殿下との出会いから始まりました。夜盗に襲われていた馬車を救ったリッドは、腕が不自由でありながら石礫を蹴りで放ち、残党を撃破したことに驚いたことなどが記されていました。

「聖王家に滞在してる間は、異国の話や技術を伝えたりと、ご先祖様は重宝されてたみたいやね」

「最初のエレミア製の籠手が作られたのはこの頃なんですね」

ヴィヴィオさんの言葉に、クラウスの記憶がフラッシュバックする。リッドに籠手を作ってもらう前は、壊れやすい飾り腕や、無骨で力加減の出来ない鎧籠手を使っていて、よく物を壊して苦労したようでした。

「オーディンさんに両腕を治して頂けるまで、エレミアの籠手はオリヴィエ殿下にとってまさに腕でした」

「ジーク。クラウス
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