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人理を守れ、エミヤさん!
策戦の時間だね士郎くん!
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にした生まれ持っての直感である。
 未来予知に近いその勘が、俺に同意してくれるなら間違いはほぼないと言えた。
 アーチャーは腕を組む。片目を閉じて意見を口にした。

「……確かに貴様の考えは選択肢の一つだ。だが何故そうも確信を持てる? 寡兵を以て大軍を討つ、その考えが通用する条件ではない。我々も苦戦はするだろうが、如何なる相手であっても単騎を相手に決して遅れを取りはしないぞ」
「ピントがずれてるんだ、アーチャー。俺達とあちらの事情が」

 事情? とアイリスフィールが首を傾げた。彼女は聡明だがやはり戦闘の素人である。今の一言だけで彼女以外の全員が納得していた。

「――そうか。あの復讐者の視点では、未だ衛宮士郎は快癒していない。ならば完全に立ち直られる前にもう一撃、もう一押しが欲しくなる。アサシンも落とした、多少のリスクは承知の上でも攻めるだけの価値はある」
「そういう事だ。向こうはタマさんの加入は想定外、アイリさんの宝具の力がどれほどなのかも正確には把握していないだろう。だから俺が何処まで治っているのかが今一掴めない。それを確かめる意味でも、素早く攻撃を加えに来る。――今の航路は、ヘラクレス野郎が撤退していった方角をなぞっている。次の島に着く前か、着いた直後辺りに戦闘になるだろう」
「そうこなくっちゃな」

 クー・フーリンが好戦的に嗤う。犬歯を剥き出しにした獰猛な戦意に海がざわついた。
 玉藻の前は心底不思議そうだ。あのランサーさんが此処まで強そうになってるとか、どんなインチキしたんです? その疑問に、俺は笑って答えた。聖杯戦争でインチキしないのは素人だぞと。さもあらんと玉藻の前も苦笑した。

「それにあたって考えるべきは、あの野郎にとって都合のいいタイミングだ」
「余らにとって、ではなくか?」
「単独行動の利点は、イニシアチブを握りやすい事だ。集団行動をする側は足並みを揃えなくてはならないからな。反面単独なら自分の好き勝手が出来る。リスクとなるのは危機に陥っても助けが入らない点だが、それさえ切り抜けられるならリスクを無視するのも充分にアリだろう。そして現代の戦争に於ける戦術、戦略の中で最も忌避されるのが――」
「ゲリラっつう訳だ」

 槍兵の言葉に、その通りだと俺は頷く。

 古代の名将を侮る気も、下に見るつもりもないが、こと戦術や戦略に於いて俺は劣っていると感じていない。
 何故なら彼らの時代よりも、現代のそれは遥かに洗練されている。道具は使い手によってその効果を増減させる故に、必ずしも現代の指揮官格が古代の将軍に勝っている訳ではないが、高度な視点を持っている者なら寧ろ上を行くだろう。
 俺がそうだ、とは思っていない。しかし古代の名将と対等には語れると思っている。そして断言できるのは、個としては最強で
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