第四十九話 合格してからその二十一
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「阿波野君のお家に関係あるの?」
「ちょっと大叔母さんが一時期入院していた病院がありまして」
「その初代さんっていう」
「いえ、その大叔母さんの妹さんの」
「ええと、阿波野君のお祖父さんの」
「もう一人のお姉さんです」
その人がというのです。
「その人が入院してまして」
「それでなのね」
「あそこに行くことがありまして、あとあそこにあるお寺に織田作之助さんのお墓があるんですよ」
「織田作之助さんっていうと」
この人は私も知っています、大阪で生まれ育って大阪を書き続けた作家さんです。
「夫婦善哉よね」
「はい、あの作品ですよね」
「あの人のお墓があるの」
「あそこにあるお寺の中に」
「そうだったの」
私もこのことは知りませんでした、それで少し驚きました。
「あそこにあの人のお墓があるのね」
「はい、ですからお参りしたいなら」
そう思ったらというのです。
「あそこに行くといいですよ」
「わかったわ、私もあの人の作品読んだことあるし」
「夫婦善哉ですか?」
「そう、あの小説ね」
読んであの当時の難波の辺りがわかって凄い勉強になりました。あのだらしない旦那さんのことは少しどうかと思いましたが。
「あれ読んだの」
「僕も読みました、織田作之助は結構好きで」
「それでなのね」
「夫婦善哉に出ているお店も行きました」
「題名になっている夫婦善哉とか」
「自由軒も。あといづも屋も」
「鰻が隠れている鰻丼ね」
このお店も大阪名物です。
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