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獣篇V
51 パイレーツ・オブ??
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結局土壇場まで晋助(やつ)が離れてくれず、大広間の座敷の近くまでしがみついている晋助(やつ)を尻目にさっき作った双子のための晩御飯を持って、広間の襖を開けた。すると晩 御飯が始まる一歩手前の状況が広がっており、全隊士たちがおしゃべりタイムを満喫している、カオスな雰囲気に包まれていた。すると万斉が近くに寄ってくる。

_「晋助、零杏、皆主らをお待ちかねでござるよ。沙羅殿双樹殿を筆頭に。…あとは、約一名、厄介なお客殿が紛れ込んでいるでごさる。」

_「…神威ですか?」

_「そうでござる。さすがは零杏。…どこからか噂を聞き付け、半刻前に鬼兵隊の船にドッキングしてきたでござる。お供も引き連れておって、正直追い返せなかったでござる。…大変申し訳ないでござる。」

_「…ええ。大丈夫ですわ。万が一のことがあれば、追い返しますし、宇宙に放り出すつもりなので、ご心配なく。…で、彼はどこにおられるのですか?」


悪い予感しかしねェ。www

_「沙羅殿と双樹殿のところでござる。まるで自分の息子娘のように可愛がっているでござるよ。」

横目で晋助(かれ)を確認すると、般若が笑ったような顔をしており、なんだか嫌な予感を隠せない。www

_「…で、オレたちが席につくのを待っている状況だな?」

_「そうでござる。早く来てほしいてござる。」

_「分かりました。…さ、参りましょう。」

そして私たちは、幹部の席に案内された。そこには確かに、神威殿(やっかいなおきゃく)が座っておられる。まるで親戚のおっさんのような可愛がりようなので、また子さんとか武市さんとか、正直引いてるのがありありと見える。だが、神威には手が出せないだろう。なにしろ、あの戦闘能力である。まともにやりあえば、間違いなくこの船が壊れる。なんとかして追い返す方法はないものか。

そんなことを考えていると、ばっちり神威(やつ)と目があってしまった。

_「あ、シンスケと零杏だ!遅かったネ。待ちくたびれたヨ。」

_「そうか、悪かったな。」

_「いやいや、いいんだヨ。ところでこの双子、シンスケと零杏の子ども?」

_「そうだけど、どうかしたの?」

_「いやぁ、二人ともスッゴク可愛いし、まだこんなに小さいのに眼から敵意を感じるヨ。さすがは二人の子どもダネ。」

ナイス、子どもたち。wwww

_「…そう。それはありがとう。…で、あなたはなぜここに来たの?」

_「なんで?って、風の噂で聞いたんだヨ。鬼兵隊にかわいい双子がいるって。」

_「だれから聞いたの?」

_「え?…風の噂?」

射殺さんばかりの視線を投げ掛ける。

_「そう…誰かから聞いたのね。語尾に?が付いてるもの。騙そうなんて百年早いわ。」


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