替え玉狂騒曲 (舞台用シナリオ)
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るんです。
実は明日の昼から、この家で番組の収録がありまして。」
明 「ああ、聞いてるよ。
火曜日の夜七時にやってるやつだろ。
有名人のお宅訪問。俺も毎週見てるよ、あのコーナー。
ってことはナッキーちゃんも来るんだろ?
そいつは楽しみだな。」
山内 「問題は、裕さんとまり子さんが
一緒に出演しないといけないってことなんです。
まり子さんの手料理も披露することになってるし。」
明 「戻りそうにないのか? まり子さん。」
裕次郎 「うーん、携帯置いたまんまだし、
すぐに戻ってくるとは思うんだが。」
山内 「ホントですか?
前にも二〜三日戻らなかったこと、ありませんでしたっけ?
さっきのあの様子じゃ、なんだか不安だなぁ。
ねぇ、裕さん。一応、最悪の事も考えておいたほうが……。」
裕次郎 「うーん……」
明 「料理ぐらい山内君がちゃちゃっと作りゃいいだろ。」
山内 「あいにく、私は料理が苦手で。
そうだ、大奥様に頼んで作ってもらうわけには
いかないでしょうか。」
明 「あっははっ、ばか言っちゃいけねーや。
あいつは芋の煮っころがしっきゃ作れねーよ。
けど、洒落た料理を作れる人なら知ってるよ。
なんなら、その人に俺から頼んでみよっか?」
山内 「ほんとですか? いやー、それは助かります。ねえ、裕さん。」
裕次郎 「うーん、どうなるかわからんけども……
まぁ、念のため頼んどくか。」
明 「そんじゃ、早速連絡とってみるわ。」
山内 「はい、お願いします。」
明 「おぅ。」
明、勇んで部屋を退室
廊下奥に消える。
山内 「料理の方はなんとかなりそうですね。
問題は奥さんなんですけど……
最悪の場合、大奥様に出ていただきましょうか。」
裕次郎 「うーん、そうだなぁ……」
山内 「でもなぁ…、世間ではおしどり夫婦で通ってるし、
やっぱり夫婦揃っての出演の方がイメージはいいんだけど。
……あ、ちょっと待って。
裕さん、今ちょっとひらめいたんですけどね。
奥さんの代役をたてる……っていうのはどうでしょう。」
裕次郎 「代役?」
山内 「そうです。代役です。
幸い、奥さんはテレビとか目立った媒体には
顔を出したことがありませんし、
知り合いのご近所さんから
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