替え玉狂騒曲 (舞台用シナリオ)
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そんな鈍感なあなたが、
よくまぁ、俳優なんてやってられるわねー。」
美智子(声) 「まり子さ〜ん、お紅茶まだかしら〜?
ついでに焼き菓子も頼むわね〜
まり子さ〜ん、聞こえてる〜?」
まり子 「あーん、もううんざりよ。
私は家政婦じゃないのよ! 頭にきちゃう!
あなたもあなたよ。
私が一生懸命話してるのに、
ちっとも真剣に取り合おうとしないんだから。
いいわよ。そうやって、いつまでも無視してなさい。
もうやめた。ばかばかしい。あとはよろしく!」
まり子、持っていた物を床へ投げつける
小さなバックを手に取ると部屋を飛び出す
入れ替わりに入ってくる山内とぶつかりそうになる
振り切るように玄関を飛び出す、まり子
山内 「あれ? まり子さんどうかしたんですか?
ものすごい剣幕で出てっちゃいましたけど。」
裕次郎 「(落ちた物を拾いながら)なんか、癇癪起こしちゃって……」
山内 「ええ? すぐに戻ってくるんでしょうね。
明日ですよ、『火曜ワンダー』の収録。
奥さんの手料理も披露することになってるんですからね。」
裕次郎 「ああ、そうだったな。」
山内 「携帯は?」
裕次郎 「え?」
山内 「奥さんにすぐ電話するんですよ。」
裕次郎、テーブルの携帯をつかみ
裕次郎 「あ、これ、家内のだ。」
山内 「ええ? 携帯持たずに出たんですか?」
裕次郎 「……」
山内 「困ったな。裕さん、奥さんの行先、心当たりあります?
もし今日中に戻らなかったら……」
裕次郎 「そうだねぇ、どうするかな……」
そこへ、明が眼鏡を探しに入ってくる。
明 「裕次郎、俺の眼鏡知らねーか?
(ローテーブルを見て)おう、あったあった。」
眼鏡をかけ、新聞を広げながら
大股でソファに座る明
裕次郎 「父さん、父さんのせいですよ。」
明 「はぁ?」
裕次郎 「父さんがだらしないから、家を出てっちゃったんですよ。」
明 「誰が」
裕次郎 「まり子ですよ。」
明 「まり子さん? え? いつ。ちょっと前までいただろ。」
裕次郎 「だから、たった今、怒って出てっちゃったんですよ。」
山内 「そうなんですよ。で、もし明日までに奥さんが戻らないと
困ったことにな
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