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替え玉狂騒曲(舞台用シナリオ)
替え玉狂騒曲 (舞台用シナリオ)
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   これからは私たちもできるだけ手伝うからさ。
     掃除に洗濯……
     料理だけは自信ないけど、今はスマホで材料入力したら
     すぐにレシピが出てくるし。」
     
ももこ 「そうそう。
     ママもたまにはうちらに甘えなよ。
     家事は全部私たちに任せて。
     どっかで息抜きしてきてもいいからさ!」

あんず 「あっ、でも次からは、黙って出て行くのはやめてね。
     みんな心配するから。」

       場がようやく和み始める 
       すると、突然口を開く拓哉

拓哉  「あのー、ちょっといいっすか。(後方から前へ出てくる)
     (まり子に向かって)さっきの話なんすけどぉー。
     ほら、高校中退のフリーターなんて、先が見えてるって。
     あれなんすけどぉー、
     俺はそうは思いたくないんすよねぇ。
     これでも一応、俺にも夢があってぇ。
     実は俺、弁護士目指してるんすよぉ。」

ももこ 「ええ?」

あんず 「誰が?」

拓哉  「いや、俺がっ! バイト先だって弁護士事務所だしー。」

ももこ 「うそ、それじゃあ時給千円のバイトって……」

拓哉  「パラリーガルしながら、法律の勉強してんだ。」

あんず 「ええ、でもさぁ、拓哉さんと弁護士って、なんか、もんのすごく
     遠くない? なんでまた弁護士……?」

       拓哉、静かに話し始める (BGM)

拓哉  「俺が小学四年の時に、オヤジが殺人の容疑で捕まってさ、
     新聞にも大きく出たんだ。
     ところが数年後、真犯人が捕まって、
     オヤジは無罪放免。それは良かったんだが、
     一度疑いをかけられた人間は、社会復帰も厳しいんだ。
     オヤジは職探ししながら、なんとか懸命に立ち上がろうとしてた。
     そんな親父が、ある日突然死んだ。自殺……したんだ。

     俺の下には弟と妹がいてさ。母子家庭じゃ、生活もカツカツで。
     おまけに学校じゃ、のけものにされて……。
     俺も十代の頃はすっかりグレちまってさ、
     すさんだ毎日を送ってたよ。

     そしたら、今度は俺が傷害の疑いで捕まっちまって。
     もちろん、犯人は俺じゃない。
     だけど、アリバイもなかったし、無罪を訴えたところで、
     誰も信じてくれないに決まってる。
     やけになった俺は、取り調べの間、ずっと黙秘してたんだ。

     でもその時、俺についてくれた国選の若い弁護士さんが
     証拠を丁寧に集めてくれて……、
     俺
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