運命を感じなくもないね士郎くん!
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げっ! ランサーさんにアーチャーさん……なんですこれ、同窓会か何かなんですか……?」と嫌そうに呟いた。……イケタマとはなんだろうか?
どうやら他の聖杯戦争で、サーヴァントのネロやクー・フーリン、アーチャーを見知っているらしい。青と赤の野郎達に気だるい視線を向けると彼らは首を左右に振った。玉藻の前と同様の記憶は無いらしい。その視線のやり取りを玉藻の前は見て取り察したのか、途端に興味を無くしたように赤と青から意識を外し、俺の全身を見渡した。
「みこーん? なんですこれ? まるでイケない大陸狐に十年以上ぶっ通しで拷問された後かのような? てっきり地上のご主人様かと思って召喚に応じてみればあら不思議。『絶対諦めないマン』的な魂の似てる別人でした。
ま、いっか! そこはそれ、お顔は気にしない良妻狐、折角素敵な魂に惹かれて来たのですし、人理を巡る貴方達の旅路に同道させて頂きます。とりあえず魂の傷、さくっと治しちゃいます?」
え? 治せるのですか……?
「声も出したくないほど億劫なのでございましょう? というかなんで二本足で立ってられてんですかね……普通床に伏せてて三日後ぐらいにはポックリご臨終コースなんですけれど」
「なんだと!?」
玉藻の前の言に血相を変えたのはネロだけではない。マシュやアルトリア、オルタ……というより全員だ。俺は居たたまれない気分でそっと目を逸らす。
「シロウ! 何故黙っていたのですか!? 三回戦えるというのは、もしかして……!」
「……や、訊かれなかったから……」
「ガキかテメェ! 勝手にくたばるところじゃねえか!」
「ランサー……そうは言う、が、どうせ死ぬなら前のめり、だろ……? あの毒で駄目になった魂の治癒とか……アイリさんの宝具でも無理だったじゃないか」
「先輩……」
だから俺は悪くない。そう締めると、オルタは険しい顔で歩み寄ってくる。そのまま拳を握るとそれを俺の腹に叩き込んできた。
魔力放出を行わない拳?は、ただの少女の膂力のものだ。だが、そこに籠められた激情が響く。甘んじて受けるしかない。
「良く分かりました。シロウの口から出た『大丈夫』は全く信用に値しない事が。キャスター、貴様はシロウに治すかと訊いたな? 出来るのか」
「素晴らしいキレの一撃……! お手本のような腹パンです! ワザマエ! ――おっと。まあ、出来るか出来ないかで言えば出来ますが。というより出来なければ、いよいよ水天日光の存在価値がないといいますか……」
「やれ。……いや、やってほしい。頼む、この通りだ」
オルタが頭を下げる。俺は――ああッ、糞ッ。自分の騎士に、女に頭を下げさせるなんて、無様も極まったぞ。どうせ死ぬなら少しでも役に立って、それからくたばろうとした浅慮な己を恥じる。俺が死ぬのを拒
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