運命を感じなくもないね士郎くん!
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「キャット!? なぜキャットが此処に……逃げたのか? 自力で特異点から脱出を?」
現代社会の闇は深い。僅かな期間で華のローマ皇帝が、日本のサブカルチャーに由来するネタを解するまでになった。
……現代社会ではなく、日本の闇の文化かこれは。まあどちらも立派な商業で芸術、闇と云うと語弊があるのだが。なんであれ可愛ければ許される世の中故に、ネロは余裕で生き残っていけるだろう。果ては伝説のアイドルかセレブな美女か。スーパー・ユー○ューバーに成る可能性もあった。
……ん? アイ、ドル……? うっ、頭が……!
「あのぉ、それきっと別尾の私です。よりにもよって、キャットとかいうナマモノと間違うのはやめて頂けます?」
ネロによって召喚されたのは、青い和服を艶やかに着崩した傾国の美女だ。美貌で言えばアルトリアやネロ以上――何気ない所作や言葉遣いから教養の深さが滲み出ていた。
彼女の生前の戦場は、血腥い戦争の場ではなく宮廷だったのだろう。何より特徴的なのは、その頭部に屹立する狐耳……臀部の尻尾だ。……ふむ、ネロのサーヴァントはけ○のフレンズでなければならない縛りでもあるのだろうか。アタランテに続き、キャスターまでけ○のフレンズだとは。これは召喚主の嗜好が出ている可能性がある。もしそうだとすると、ネロはケモナーだった……?
戯れ言はさておくとして。
ネロ曰く第二特異点での事だ。カルデアがやって来る前の戦いで、カウンター・サーヴァントと共に抗っていた所、ネロに力を貸して戦った者の中にキャスターと瓜二つの風貌をしたサーヴァントがいたらしい。
タマモ・キャットと名乗ったバーサーカーだというが――タマモだって? それに狐っぽい尾と耳……もしやこの和装のキャスターの真名は『玉藻の前』だったりするのか?
そう問うと、和装のキャスターはキャットとやらと同一視され盛大に顔を顰めていたのを、太陽のような笑顔に変えて肯定した。
「はい、ご賢察でございますイケ魂の方! この身は黄帝陵墓の守護者にして、崑侖よりの運気を導く陰の気脈。金色の陽光弾く水面の鏡――真名を玉藻の前。此処ではない彼方にて、自他ともに認める素敵な殿方の良妻勤めますれば、此度の召喚の儀にて不思議な縁をビビッと拾って罷りこしました」
そこまで晴れやかな笑顔で告げた御狐様。が、ふと俺の顔を見て怪訝そうに眉根を寄せた。
まるで知己の人物の意外な姿を見た、といった表情だ。随分とオチャメな性格らしい。表情からキャラまで分かりやすい。
「――って、あれれぇ? 何やらキザな弓兵さんとおんなじお顔……おまけに折角のイケ魂が見るも無惨な有り様ではございませんか」
玉藻の前の目がぐるりと周囲を見る。「
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