戦慄の出会いだね士郎くん!
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!?』とモナリザ・ムンク叫びが聞こえた気がしたが気のせいである。
『!? 来た、強力な魔力反応! 具体的に言ったらSSRクラスの霊基規模だ!』
ロマニの声がする。奴め、ネットアイドルだけじゃなく、スマホのソーシャルゲームにも手を出していたのか……喩えが色々と台無しである。禁断のガチャを回して廃人と化している様が目に浮かぶようだ。
「おお! 流石は余、この場面で幸先がいい! という事は神祖だな! 余には分かるぞ、だって神祖がSSRじゃない訳がないもんネ!」
「おめでとう」
おめでとう、おめでとうございます! おめでとさん。
胸を張ってどや顔をするネロに、皆生暖かい眼差しで拍手をした。しかしそこに水を差すのがアグラヴェインである。
『……霊基パターンから、恐らくはキャスターではないかと予測されるが』
ピシ、とネロが彫像と化す。ローマ史のネロの頭像を彷彿とさせる表情だ。
俺は白い目でネロを見る。キャスターはもういいよ、供給過多だよという趣旨の視線に、ネロはがっくりと膝を地面に落とした。
「……何故だ、神祖は何故来てくれぬのだ……まさか余はもうローマではない……? 鬱だ、立ち直れぬ……芸術家枠で伯父上が来たら、どうしたらよいのだ……」
「それはないから安心しろ。カリギュラ帝も建設事業に着手してるが……英霊としての彼にSSRの格は無い」
「なんだと!? ローマを莫迦にするなシェロ! 偉大なるローマ皇帝は全員SSRだ戯けめ!」
「召喚されたサーヴァントがローマに関係あるとも限らないがな」
尤も、一番可能性があるとしたら、キャスターのネロ辺りだ。何せ本人の逸話的にキャスターが最も符合する上に、召喚者が本人である。
えすえすあーる、ってなんなんでしょう? と首を傾げるマシュ。どうかそのままのマシュでいてほしかった。
それにつけてもこの緊張感の無さである。初っぱなのネロのヒート気味のテンションが原因だった。割とシリアスな空気だったのにこれである。
「来るぞ。召喚主が応じてやらないでどうする」
「む……仕方ない、出迎えてやるとしよう。これよりは余の臣下となる者である。ところでシェロよ、伯父上だったらどうしたらよい?」
「知るか」
矢鱈とカリギュラ帝を気に掛けるネロだが、あれは嫌がっているのではなく、子供が授業参観に来た保護者に、照れてつっけんどんな態度を取る感じだと見た。微笑ましい限りである。
そして、
その獣はやって来た。
――燃え尽きた世界が遣わせしは衛宮士郎へのカウンター。その行いへの抑止力。或いは、今の士郎へ最も必要とされる存在。
星と人の抑止力の干渉はない。あるのは縁。遥か遠い時の涯、此処ではない何処かで結ばれた、召喚者との奇縁である。
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