「健在なのは」
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参加しなかった所か、いつの間にか消えていたらしいな。何をしていた」
ふざけた言動にリアクションを取る気にもなれない。端的な詰問に黒髭は頬を染めた。
「ちょっとお花を摘みに行っておりますたw」
「……」
「……ゴホン。真面目に答えると、拙者がいても瞬殺されるのが関の山でござる。流石に拙者が消えるのは困るでござろう? あそこで宝具を出しても壊されるだけですしおすし」
「……それだけか? 天下の黒髭様が、用心して隠れてましたってだけじゃないだろ」
空元気ながらも士郎が煽るように言うと、黒髭はにやりと笑った。
「当たり前だぜ。この俺を誰だと思ってやがる。ケツ捲って逃げてったあの野郎が何処に向かったのか、この島のいっちゃん高ぇところから見てたんだよ」
「――流石」
その方角を掴めるだけで、かなり今後の状況が違ってくる。士郎はマシュとアルトリア達を見渡し、少し身長差に苦笑して黒髭に言った。
「エドワード、肩貸してくれ」
「……ほほぉ? 拙者を名前呼びwww もしやデレたのですかな?www」
「バカか。何時までも渾名の『黒髭』呼びだったら他人行儀だろう。それにティーチって呼んでたら、日本の海賊漫画の三下みたいになっちまう。お前、あんな三下じゃねぇしな」
「ブフォw 拙者がモデルのあれですかwww あれはあれでいいものですぞwww
師匠www」
「誰が師匠か。というか知ってるのかよ。その知識は何処から来てるんだ……? とりあえず、ロボトミー手術を受けた後なら弟子入りも考えてやるよ」
「んんんwww 拙者の性格全否定www」
ひょいと士郎の腕を掴み上げ、黒髭は気安く士郎に肩を貸した。その際、士郎にだけ聞こえるように黒髭が呟く。
「――おう、カルデアのマスター。テメェ、知らねぇだろうから教えてやるよ。どうせ後で聞かされるだろうがな」
光の御子が切り落とした、復讐者の片腕。それが――忽然と消えたというのだ。
「――」
ケリュネイアの牝鹿から飛び降りる。自身が更地に変えた無人の島故に、見張らしはいい。万が一にも奇襲される恐れはない。
アルケイデスは考えていた。カルデアの主柱らしき男の事を。
宝具化に際してスケールダウンしているとはいえ、最悪の神毒を受けて尚もその精神が死に至らぬどころか、僅かな時で意識を覚醒せしめたあの男。
「素晴らしい忍耐力だ」
ぽつりと讃える。サーヴァントである己は、その死因ゆえにヒュドラの毒を受ければ行動不能に陥るだろう。しかしそれとは別の所で、毒物への畏怖はある。拭いがたいものだ。それを耐えきった男を、彼は認める。
あの男は現代に生きる最新の英雄。なればこそ戦士としての血が騒ぐのだ。それでこそ
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