第三章
[8]前話 [2]次話
二人は預言者となりムーサーはアッラーに右手に持っている者について問われた。
「汝の右手にあるものは何か」
「杖でございます」
ムーサーはアッラーに素直に答えた。
「これを身体の支えにし羊達に木の葉を叩き落として餌にしてやったり色糸使います」
「左様か、ではだ」
「ではとは」
「その杖を投げてみるといい」
「アッラーのお言葉だ」
それならとだ、ハールーンも弟に言った。
「迷うことはないな」
「左様ですね」
「ではな」
「投げてみます」
こうしてだった、ムーサーは杖を投げた、すると杖は忽ちのうちに一匹の蛇になった。ここでまたアッラーはムーサーに言った。
「杖に力を授けた」
「アッラーのお力をですか」
「そうした」
まさにというのだ。
「そなたに授けた、この杖もだ」
「使いそうして」
「イスラムの教えを伝えるのだ」
こう言うのだった。
「エジプトにもな」
「ではこれより」
「あの国に戻るのだ」
「わかりました」
「では私もですね」
ハールーンもアッラーに問うた。
「これから」
「そうだ、そなたもだ」
「エジプトに戻り」
「あの国でもイスラムを伝えるのだ」
「ではその様に」
ハールーンも応えてだ、そうしてだった。
兄弟でエジプトに戻ることにした、二人でエジプトに向かったがこの時にハールーンはムーサーに忠告した。
「以前御前は拳を使ったが」
「はい、そうしてエジプトを出ることになりましたね」
「もう拳を使わずにな」
「杖を使うべきですね」
「そうするべきだ」
是非にと言うのだった。
「いいな」
「わかっています」
確かな声でだ、ムーサーはハールーンに答えた。
「そのことは」
「その杖があればな」
「拳を使う必要はないですね」
「すぐに怒って殴ることはな」
「やはりよくないですね」
「そうだ、預言者だと特にだ」
「わしは言葉は不得手です」
自分の口下手なこともだ、ムーサーは言った。
「そこは兄上が行われ」
「そなたは杖でな」
「アッラーの御教えを伝えるべきですね」
「アッラーは偉大だ」
この言葉をだ、ハールーンは出した。
「このことをエジプトにも伝える為に」
「これからは杖で、ですね」
「ことを進めるのだ」
こう言ってだ、二人はエジプトに入った。そうしてアッラーの教えを伝えるがすぐにエジプト人達は言った。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ