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ムーサー
第一章
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は都を後にしていた。
 ムーサーは同胞と共にエジプトを出た、そのうえでマドヤンという荒野の水場に出た。そこで彼は羊の群れに水をやっていた娘を見て同胞に言った。
「あの娘達を助けよう」
「羊達は多いですしね」
「二人だけでは大変だ」
 だからだというのだ。
「ここはそうしよう」
「それがいいですね」
「困っている者、大変な者を助ける」
「例え相手が誰であっても」
「ムスリムはそうでないとな」
「その通りですね」
 同胞も頷いてだった、そのうえで。
 二人で娘達を助けた、すると娘達は二人に仕事の後でお礼を言ってだった。そうしてこう言うのだった。
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