第三章
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「遂に欧州に来たぞ」
「バルカン半島に乗り込んできたぞ」
「コンスタンティノープルを囲んだ」
「シリアも手に入れたぞ」
「各地に進出している」
「一体どうなるんだ」
欧州の者達はこの国に次第に脅威を感じていた。
そして彼等にとって驚愕の事態が起こった。
「コンスタンティノープルが陥ちただと!?」
「あの街がか」
「そしてビザンツ帝国が滅んだか」
「東ローマ帝国がなくなったのか」
難攻不落と呼ばれ長い間イスラムの防波堤だったビザンツ帝国がオスマン=トルコに滅ぼされたのだ。
「確かに最早都市国家位だったが」
「コンスタンティノープルとその周りだけが領土だった」
「そこまで弱くなっていたが」
「しかしだ」
「あの都の三重の城壁を破ったのか」
「大砲を使ってか」
「船を陸に通らせて」
その攻め方も彼等にとっては驚くべきことだった。
「そうしてか」
「あの街を攻め落としたか」
「そのうえであの国の都としたのか」
「これであの国の我等への防波堤はなくなったぞ」
「次から次に攻め込んでこないか」
「大変なことになったぞ」
彼等はかつての十字軍の時以上にオスマン=トルコに脅威を感じた。そして実際にトルコはコンスタンティノープルを攻め落としてからも勢力拡大を止めなかった。
「バグダートを手に入れたらしいな」
「エジプトも占領したぞ」
「アルメニアまで達したという」
「クリミアにも勢力を及ぼしたらしいぞ」
「カルタゴも奴等のものになった」
中東やカフカス、そしてアフリカまで勢力を拡大していた。そして欧州にもだ。
「バルカン半島は完全に奴等の手に落ちた」
「ギリシアもそうなったぞ」
「ハンガリーもそうなった」
「ワラキアに攻め込んできている」
「ロードス島も攻め落とされたか」
「ウィーンはかろうじて守られているが」
「何処まで攻めて来る」
オスマン=トルコの大軍はというのだ。
「一体どうなる」
「奴等は欧州全土を席捲する気か」
「かつてのモンゴルの様にするつもりか」
「誰か何とかしてくれ」
「このままでは欧州全土がサラセンのものとなる」
「我々はどうなる」
「皆殺しか改宗か」
そうした不吉な未来がここで出た。
「どうなってしまうのだ」
「俺は死にたくないぞ」
「俺もだ」
「改宗なぞ死んでもするものか」
「絶対にするものか」
欧州は恐慌状態に入ろうとしていた、しかも地中海ではトルコの海軍や海賊達が彼等から見れば大きな顔をして動き回っていた。そしてインドへの通商路も阻まれていた。
「香辛料を手に入れられない」
「奴等が道を阻んでいるぞ」
「通るにしても金を払わねばならない」
「その金が馬鹿にならない」
「これでは商売にならない」
「奴等が儲ける
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