第二章
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「キエフは酷いらしいぞ」
「もう屍で埋まっているそうだ」
「誰彼なしに殺し尽くしたそうだ」
「街も完全に壊したそうだ」
「もう何もない」
「そんな風になっているのか」
「それではヴィーキングより酷い」
彼等も奪い殺すがというのだ。
「とんでもない連中みたいだぞ」
「しかもこちらに向かっているらしい」
「サラセン達も殺しているが」
「我等も殺すらしい」
「恐ろしい連中だ」
こう話すのだった、そしてだった。
彼等は実際に欧州の奥深くまで北、そして気付けばもうだった。東欧深くに入り込みドイツとポーランドの諸港は共にだった。
彼等に向かった、だが。
騎馬の大軍の弓矢で散々に殺された、戦場となったリーグニッツも屍で埋まった。
「敵は十六万だと?」
「全員騎兵だと」
「その様な軍隊があるのか」
「一体どういった軍隊だ」
「聞いたことがないぞ」
「しかも教会も何もかも壊す」
「逆らうものは皆殺しだと」
これまで聞いた通りにというのだ。
「どういった連中だ」
「本当に恐ろしい連中の様だ」
「欧州でも多くの者が殺されている」
「このまま攻められるか」
「そして殺されるのか」
「そうなっていくのか」
こう思うのだった、だが突如としてだ。
彼等は退いた、このことも噂で聞いた。
「あちらの皇帝が死んだのか」
「ハーンというらしいがな」
「それで退いたのか」
「では若しあの国の皇帝が死なないと」
「その時はか」
「我々は皆殺しか」
この未来がすぐに思い浮かんだ。
「そうなっていたか」
「逆らっていれば」
「危うかったな」
「全くだ」
欧州の者は胸をなでおろした、そのうえで言うのだった。
「偉大なキリスト教徒の国と思えば」
「それがだったな」
「恐ろしい侵略者だった」
「サラセン人よりさらに恐ろしい」
「悪魔の様な連中だった」
「地獄、タルタロスから来た様な」
こう言う者すらいた。
「その様な連中だったな」
「二度と来て欲しくないものだ」
「ウィーンに迫ろうという時で帰ってだ」
「ルーシーはまだ支配しているというが」
「もう欧州には来るな」
「何があろうとも」
このモンゴル帝国のことは彼等に恐ろしいまでの恐怖を与えた、そうして二度と来て欲しくないと心から思った。
欧州はモンゴルの危機から逃れられた、しかし彼等の脅威はそのままだった。
やはりムスリム達が中東にいた、彼等はそのモンゴルすら破り中東にいて欧州の前に立っていた。しかも。
欧州各国が教会も交えて争っている間にある国が台頭してきた。
オスマン=トルコ、この国は気付けば恐ろしい国になっていた。
「十字軍を破ったしな」
「ティムールに敗れても生き残った」
「日に日に大きくな
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