第四章
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ドナーさんは自分が言った通りにベッドの枕元に靴下をかけて寝ました、その中にトカイとメモ書きを入れて。
そうして寝ました、そうして。
夜中にふと起きておトイレに行こうとしますと。
目を覚ました暗いお部屋の中にです、大きな影が見えました。
ドナーさんはその影に最初何かと思いましたが見ますと。
赤いふかふかとした服にキャップ、服もキャップも縁は白くなっていてお顔は白いお髭だらけです。その人こそは。
「サンタクロース!?」
「おや、見付かったかい」
「馬鹿な、どうして」
ドナーさんは枕の傍に置いてあった眼鏡を手に取ってかけてサンタさんの姿をあらためて確認して言いました。
「いる筈がない」
「いや、それでもだよ」
「私が見ている通りというのか」
「そう、わし等はいるのだよ」
サンタさんはドナーさんににこりと笑って答えました。
「この通りな」
「今わし等と言ったが」
「ああ、言ったとも」
その通りという返事でした。
「わし等とな」
「まさか」
「そのまさかだよ、国によって服が緑だったり青だったりするね」
今ドナーさんの前にいるサンタさんの服の色は赤でもです。
「それでだよ」
「サンタクロースは一人じゃなかったのか」
「何人、いや何万人といてだよ」
そうしてというのです。
「世界中の子供達そして御前さんの様なな」
「大人にもか」
「プレゼントが欲しいなら」
それならというのです。
「あげているんだよ」
「そういえば」
ここでドナーさんは自分がかけた靴下を見ました、するとワインのボトルがありました。
「これは」
「トカイだよ」
まさにそのワインだというのです。
「御前さんへのプレゼントだよ」
「プレゼントが欲しいと思ったからか」
「あげたんだよ」
そうしたというのです。
「この通りにね」
「そうだったのか、しかし」
ドナーさんはベッドの上に腰掛けています、そうして言うのでした。
「まさか本当にいるなんてな」
「驚いたかい」
「そして何故一晩で世界中の子供達にプレゼントが出来るかわかった」
このことがというのです。
「何万人もいればな」
「一晩で世界中の子供達にプレゼントが出来るのだよ」
「そういうことだったのか」
「その謎が解けたかい」
「わかった」
まさにという返事でした。
「よくな」
「それは何よりだ、では次の子供にな」
「プレゼントを届けに行くか」
「そうしてくるからこれでな」
「私の前を去るのか」
「不法侵入で訴えないでくれよ」
「法的にはそうなるが」
それでもと言うドナーさんでした。
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