第三章
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「そういうあんたもね」
「駄目っていうの?」
「いや、あんた色白で結構すっきりした感じなのに」
それがというのだ。
「お肌真っ黒にして金髪にしてアクセサリーちゃらちゃらはね」
「駄目かしら」
「それヤマンバよね」
二十一世紀初頭に流行ったそれだとだ、碧は指摘した。
「そうよね」
「意識してたけれど」
沙織自身そうだった。
「駄目?」
「だからあんたは色白ですっきりなのに」
そうした感じだが、というのだ。
「それでガングロアクセサリーチャラチャラはね」
「似合わないのね」
「何かこれじゃない、よ」
奈央は沙織にも言った。
「だからね」
「止めた方がいいのね」
「絶対にね」
「じゃあヤマンバ止めるわ」
「そして奈央もね」
碧は最後の奈央にも言った。
「あんたそれ白塗りし過ぎだろ」
「そうかしら」
「花魁さんみたいよ」
見れば今の奈央はそうした感じだった、そこに黒い眉を描いているので下手をすれば馬鹿殿である。
「あいーーんってやったら」
「もうばっちり?」
「それか美白研究家よ」
「何か三人共メイク駄目みたいね」
「そうね、どうも露骨に突き進み過ぎて」
碧は自分達のメイクを見比べてあらためて思った。
「失敗してるわね」
「派手もガングロも美白も駄目ね」
「他のでいくべきね」
「ええ、もっとアイドルや若手声優さんみたいにいけばいいかしら」
碧はあらためて述べた、そして三人はそれぞれ自分に似ているアイドルや若手声優を見付けて彼女達のメイクに合わせることにした。
そしてファッション、それもだった。
色々やってみた、だがこれでもだった。三人はそれぞれ試行錯誤を行っていた。
碧の白い半ズボンと黒タイツに真っ赤な胸元を大きく開いたシャツにブーツという恰好にだ、沙織も奈央も言った。
「何、その恰好」
「ステージ衣装じゃないわよね」
「ちょっとその恰好は」
「違うでしょ」
「ううん、私半ズボンとタイツと赤好きだから」
それでとだ、碧は二人に答えた。
「決めてみたけれど」
「何かアニメのキャラみたいでね」
「それか格闘ゲームの女性キャラ?」
「薔薇持って言ったら似合いそうだけれど」
「それは普段着では無理でしょ」
「制服の着こなしにしてもね」
「そんな感じでいったら流石に校則に引っ掛かるわよ」
三人そして涼平と冬美が通っている学校は比較的校則が緩やかだ、だがそれでもというのだ。
「だからね」
「それもないわよ」
「じゃあね、止めるわ。ただね」
碧はまたしても言い返す感じで沙織に言った。
「あんたのファッションもね」
「駄目?」
「ピンクハウス系はいいにしても」
所謂可愛い系、少女チックなものはというのだ。見れば今の沙織は完全に
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