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人理を守れ、エミヤさん!
鉄の心の士郎くん!
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高峰の復讐者である。マシュが悲鳴を上げようとし。消え行く赤いフードの暗殺者は不敵に嗤う。

「――卑怯だと思うか? なら、それが貴様の敗因だ」
「……!」

 錬鉄の弓兵が稼いだ半歩の(とき)
 無垢なる少女が凌ぎ、暗殺者が封じた()
 ――これで間に合わぬようで、何が最強の槍兵だというのか。

 ちり、と焦げ付く戦慄の予感に、アルケイデスは咄嗟に魔大剣を背後へ振るう。
 かち合った魔槍と魔大剣の鬩ぎ合いを基点に地面が陥没し、アルケイデスの両足が足首まで地に埋まった。
 真紅の双眸が告げていた。赫怒を。謳っていた……曇りなき殺意を。上空より最大の遠心力を乗せた撃ち下ろし。魔槍の一撃を受け止めた魔大剣を支えに、光の御子は魔人の挙動を魅せる。
 魔大剣を支えに体勢を変え、そのままの勢いで復讐者の背後に跳びながら首を刈り取る蹴撃が放たれた。死角から迫るそれを片腕を上げて防いだアルケイデスだが、意識の外から飛んできた衝撃によろめく。

 ――蹴られた?

 側頭部に重い蹴撃を受けたのだ。バカな、私は防いだはず――その驚愕で鈍る男ではない。不利な体勢、不意の奇襲を受けた故に見切れなかっただけの事。同じ手は二度と受けない。
 光の御子が盾兵の少女を背に着地する。真紅の復讐者が魔大剣を構えて対峙する。
 転瞬、同時に馳せた驍勇の魔人ら。魔槍と魔大剣が交錯する度に大気がひび割れ、余波で地面に裂傷が刻まれていく。アルケイデスは光の御子を相手に接近戦は不利と認めた。人を相手にした戦歴に於いては、己はこの大英雄に劣る。技量は拮抗していても、人を相手にした戦いの巧さで負けている。
 激甚なる剣戟の中、アルケイデスの腕に『軍神の戦帯』が纏われる。膨大な神気を魔大剣に流し込み、光の御子を弾き飛ばした。

「ヌ――」

 手応えが軽い。咄嗟に自ら後ろに跳んだのだと理解した彼に、クー・フーリンは煮えたぎる笑みを投げ掛けた。間抜け――罵倒の真意は、果たして。

 答えは先刻の再現。
 強襲した声無き聖剣の輝きを視界の隅に捉えてアルケイデスは悟る。
 なるほど、敵中深くで囲まれるのは御免被りたいが――ならば執るべき策は有言実行、それ一つのみ。

「はぁああ!」

 生身の人間、ネロ・クラウディウスが赤い剣に炎を纏って斬りかかってきた。無造作に神獣の嚢で受け、アルケイデスは反撃に拳を握る、と見せ掛けその場で真上に跳躍する。アルトリアの聖剣を迎撃したのだ。魔大剣を巧みに操り、獅子の如き戦意を露にする騎士王を叩き落とすや、魔大剣の柄を口に咥えて大弓を顕す。
 青銅の矢をつがえ、『ステュムパリデスの鳥』を明後日の方角に射ち放って黒き騎士王を強引に足止めするや、次々と矢を撃ち込む。

 狙いは士郎、アイリスフィール、ネロ、
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