二十一 タイムリミット
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、詳しいことはサスケは知らない。
そもそも、サスケ自身、大蛇丸に迎えられてからというもの、アマルはもちろん、サクラとさえ引き離されたのだ。
やはり木ノ葉の里に戻ろうと心変わりをしないように、大蛇丸がそれぞれを引き離したのである。
よって、単独で行動していたサスケが、彼女達の現状を知るよしもない。
《詳しくはわからないが、聊か気になることはある。サクラのことだ》
「どうした?」
《サクラは早々に俺と引き離され、大蛇丸の傍で修行させられていたらしい。つまり…》
「……大蛇丸に洗脳されている可能性がある、と」
《懸念であればいいがな》
サスケの話に、綱手は顔を顰める。
木ノ葉の里の抜け忍でありながら、音の里をつくり、部下を得ている大蛇丸は確かにどこか惹きつけられるものがあるのだろう。傍にいれば、大蛇丸の嗜好や考えに同意してしまう可能性もある。
「苛立たしいことに、アイツにはカリスマ性があるからね」と、かつて同じ三忍と呼ばれてきた綱手は苦々しげに吐き捨てた。
ふと、火影室へ誰かが向かって来る気配を察した綱手は、早々にサスケとの会話を打ち切る事にする。
近々、天地橋にナルが向かうことを口早に告げると、綱手はサスケに頼み込んだ。
「また何かわかり次第、連絡してくれ」
《────わかった》
サスケの言葉が終わるや否や、カツユが白煙と共に掻き消える。
素っ気ない態度だが、従順な答えを返したサスケに、綱手はホッとする。
サクラが大蛇丸に洗脳されている可能性はあれど、サスケは違う。
そのことを確認できただけでも上々だ。
「さて……」
執務机で、手を組んだ綱手は、今からこの部屋に訪れる強敵にどう立ち向かうか、頭を巡らせる。
ノック音と共に部屋に入って来た水戸門ホムラとうたたねコハルの顔を認めて、綱手は背筋を伸ばした。
彼らの話が何かとうに察しはつくものの、素知らぬ顔で訊ねる。
「これはこれは。ご意見番のお二方。如何された?」
太陽の光さえ届かぬ地下。
外界と切り離された其処は暗澹としており、まるで仄暗い深海のようだ。
十字形に交叉した橋は四方を円柱に囲まれ、圧倒的な静寂だけが満ちている。
辛うじてその十字路の如き橋、それも中心のみが、天から降り注ぐ光に微弱ながらも照らされていた。
鼠一匹すら忍び込めぬ閉鎖された空間。暗澹たる世界で、男の荒い息遣いが響
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