オルフェノクの使い魔でホワイトデー
[3/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
わず後ずさった男子の胸倉を掴んだ。
「な、なんだよ」
「ボクはもらっていないのさ!! 一個もね!? だから、ボクは誰にもお返しする必要なんてないのさ!!」
一気にまくしたてるとマリコルヌは掲示板に背を向け、狂ったように笑いながら走り去って行った(かなり鈍足)。その眼には涙が浮かび、そのまま、部屋に飛び込んだ彼は、一週間近く、食事の時間とトイレ以外に、外に出ようとしなかった(誰も気にしなかったが…)。
――――――――――――――――――――――――――――――
「予想通り、男たちは大慌てじゃな」
「まったく、何人が突破口を見出すか…」
学院長室でチェスをやりつつ、慌てふためく男たちの姿を見て爆笑するオスマンと、楽しそうに見つめるサイトがいた。
「じゃが、サイト殿、サイト殿は大丈夫なのか? それなりにもらっていたようじゃが」
「心配無用。もうすでに準備は出来ている。あとは当日渡せばおしまいだ」
「この間から、ここでちまちまやっていたやつか」
「ああ、それなりにいい出来前だ」
サイトは、ティーカップに口をつけて駒を動かした。
「チェックメイト」
「なぬ!?」
オスマンがボードを覗き込もうとしたとき、学院長室の扉が乱暴に開けられた。
「オールド・オスマン! サイトくん! 頼む、助けてください!」
「なんじゃ騒々しい」
「っとか何とか言いながら、俺の駒を動かそうとするな」
さりげなくサイトの駒をずらそうとしたオスマンの手を捕まえた。
「……つまり、誰からも貰ったかわからなくて、どうしたらいい瓦ならなくなってしまったと?」
説明を終えたコルベールは、確認するように聞くオスマンの言葉にうなずいた。
「簡単な話じゃないか。もらったやつ、もらわなかったやつ関係なく、全員に渡しちまえばいい」
「それだとさすがに私の懐が…
そ、そうだ。オールド・オスマン、あなたもかなりの量をもらってましたけど、ホワイトデーのときは何を?」
「ワシ? ワシはホワイトデーの翌日休校にする」
「なッ!?」
「ついでに、何故、翌日にするかというと、当日だと、休校なのをいいことに遠くへ逃げでホワイトデーを回避しようとする輩が出ないようにするためじゃ」
あっさりと職権乱用すると宣言したオスマンにコルベールはあいた口がふさがらない。
「っていうか、コルベール、なんで買うことが前提なんだ?」
「え?」
「わざわざ買うよりも、何かを作って渡すのだってありだぞ」
「しかし、何を渡せばいいのか…私が作ったヘビ君でも渡してみましょうか」
(あれ渡されても間違いなく翌日のゴミになるぞ…)
「マルトーのところに行ってクッ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ