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オルフェノクの使い魔
外伝
オルフェノクの使い魔でヴァレンタインデー
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く20年と生きていなくとも信じられないほどの修羅場をくぐり抜けてきた戦士である。引退した魔法研究所実験小隊の殺気ごときで動じるはずがない。

「よかったじゃないか、これで一個は確実だ」

「いいのぉ」

「よくありませぇぇぇぇん!!!!!」

叫ぶコルベールを無視して、二人はこれからのことについての話を始めた。

「しかし、何故、厨房で作るチョコレートは予約のものと、食堂販売のものの二つにしたんじゃ?」

「まぁ、当日になればわかるさ」


―――――――――――――――――――――――――――


チョコレート作りの講義(生徒だけでなく、女性教員も参加していたらしい)も好評に終わり、当日となった。


―――――――――――――――――――――――――――


ギーシュは朝、目を覚まし着替えると、鏡の前に立った。

「うん、今日のボクは今までの人生で一番輝いている! 大丈夫だ、今日のために、いつも以上に女の子には優しくしてきた! プレゼントもした! 学園のチョコレートはすべてボクのものだ!!」

そう言って頷くと、彼の杖でもあるバラを咥えて部屋をさっそうと出て数歩歩くと、ものすごい勢いで走りだした。
男子が女子寮に入ることは禁止されている(サイトはルイズの使い魔であるため、特別OK)。そのため、朝、男子と女子が確実に会える場所はあらかじめ約束しておかない限り、アルヴィーズの食堂しかない。
ギーシュの目に食堂の入口が映ったつとき、丁度モンモランシーが食堂に入ろうとしていたところだった。

「モンモランシー!!」

「キャッ! ギ、ギーシュ」

滑り込むようにモンモランシーの前に立った。

「やぁ、モンモランシー、今日の君は、いつにもまして美しい…」

「はいはい、これが欲しいのね…」

目的丸出しのギーシュをじと目で見てから持っていた袋から青いリボンのついた箱を取り出した。

「おお、モンモランシー!!」

「あ、これじゃなかった」

そう言って青いリボンの箱を袋に戻し、赤いリボンの箱を取り出し、ギーシュに差し出した。

「はい、手作りだから、ちゃんと、感謝して三回以上拝んでから食べなさいよ」

「ああ、ああ! わかっているよ、ボクのモンモランシー!!」

歓喜極まって抱きつこうとするギーシュからするりと抜け出し、モンモランシーは、周囲を見回した。

「ねぇ、ギーシュ、サイトさん知らない?」

「え……」

ギーシュハ石化シタ(RPG風)。

「だから、サイトさん」

石化したギーシュにモンモランシーは再度問いかける。

「な、ななななななな、なんで、あのバケモノのことを、さん付けで呼んでいるんだ、モンモランシー、まさか、まさか
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